今月のウクライナ-14

今週のウクライナ。

4 月 6 日
● マリウポリ港で、ロシア軍の攻撃によりドミニカ船籍貨物船が沈没!
● NATO 加盟国であるチェコが、ウクライナ軍に戦車を提供!
● ロシア軍、キーウ周辺から完全撤退

7 日
● ロシア軍がマリウポリで移動式の火葬施設を稼働か?!住民遺体焼却用
NATO 外相、フィンランドとスウェーデン加盟の可能性協議
● 国連総会、ロシアの人権理事会メンバー資格を停止、決議採択

8 日
● ウクライナ東部の駅にミサイル着弾、
  脱出のため、駅に集まっていた子供を含む多数の住人が死亡!
  ミサイルの残骸には For Children 、Для детей の文字が!!!

9 日
● 地対空ミサイル S300 をスロバキアがウクライナに供与!


さて、先週以降、戦線に大きな変動は見られませんが、
膠着、というわけではないと思います。
数日以内のマリウポリの陥落が予想されているように、
ロシアはジリジリと南東部の足固めを行っていると思います。
米軍を始めとする西側はロシア軍の再編成に関して
多くの情報を得ているはずですが、
開戦前のバイデンの積極的な情報開示戦略とは異なり、
ロシア軍再配備に関する詳細な情報は、これまでのところ、
ほとんど報道されていません。
ある意味、不気味な静けさです・・・。

が、次の目標は、これまでも言ってきたように、明らかです。

ところで、駅舎に打ち込まれたミサイルの残骸の横には
先に書いたような、
冗談にもならないとんでもないことが書かれているわけですが、
なんでそんなことをするのか、全く持って不可解です。
それに対してロシア側は「フェイクだ!プロパガンダだ!」と、
相も変わらず、幼稚園児でも分かるような噓八百を並べ立てるわけですが、
なんでそんなことして自分たちを追い詰めるのでしょうかね?

それから、住民を連行して遠方に連れ去っている、との情報もありますが、
ソ連時代の 5 か年計画や日本降伏後のシベリア抑留じゃあるまいし、
いったい何を考えているのか、さっぱり分かりませぬ・・・。

日本の戦国時代でも足軽たちによる暴行略奪拉致は生じましたが、
多くの場合、統括する武将からは乱暴狼藉禁止令が出されてました。

なぜか。

戦術的、戦略的には全く無意味であるだけでなく、
色々な意味で逆効果しかもたらさないからです。

戦術的な包囲作戦などは理解できます。
以前も少しお話したように、
これをやられると多くの住民の餓死を招くことから、
包囲された側は白旗を上げざるを得なくなる可能性が生じると同時に、
NATO が臍を固める可能性も生じるので、
さすがのプーチンも避けているのかな?とも思いましたが、
事実は、単に、包囲戦を行うだけの軍備~糧秣が無い
という可能性のほうが強いように思えます。

町を制圧したのは良いが、兵站が全くダメダメなので、
イヌを殺して食べた、コンビニに押し入って略奪した、
民家に押し入ってあるもの何でも搔き集めて食べた、
ということですので、相当に気が立っていたのは分かります。
が、多数の住民を連行する行為だけは理解不能です。

思想教育、というわけでもなさそうですし・・・。

スターリン時代、多くのウクライナの富農が連行され、
そのほとんどは帰らなかったわけですが、
富農の定義=牝牛を一頭飼っている、くらいのものですので、
も、めちゃくちゃです。
ここら辺の事情は、今後お話していく予定です。

それにしても近現代ウクライナ史、ホントに複雑怪奇であります。
じゃもんで、も少しお時間を頂きたい!

では!


今月のウクライナ-13

さて、「今週のウクライナ」です。

3 月 26 日
● ロシアのジョージア駐留部隊がウクライナに向け進軍を開始
● ロシア軍が市長拉致し病院占拠、「東部制圧優先」でも首都砲撃を継続

27 日
● ロシアとの対面協議、トルコで開催
● ロシア軍の一部はキエフ周辺からベラルーシへ後退

28 日
● ゼレンスキー、ウクライナの中立化と領土的には交渉の余地あり、と述べる
「ウクライナ兵がロシア兵捕虜を銃撃」の動画、当局が調査表明

29 日
● 仲介のロシア新興財閥アブラモビッチ氏を毒物で攻撃か?との報道
● 5 月の「対独戦勝記念日」までに終結させるべく、ロシアは攻勢を強めるか?
● ヤマダ電機で買える安価な「ドローン」がロシア軍を敗北へ?
● ロシアの民間雇い兵、ワグネルの存在が確認される
● ロシアの戦費 1 日で最大 3 兆円に!高価な精密誘導弾使用にプーチン激怒!

30 日
● 国債利払い完了とロシア財務省 外貨建て3回目、デフォルトを回避する
● プーチン、マリウポリを救うためには「ウクライナは降伏しろ!」
● 側近「イエスマン」が真実の報告を恐れ、プーチンは裸の王様状態

31 日
● 一部ロシア兵、士気低下で命令拒否
● ロシア軍がマリウポリ周辺で部隊を増強
● プーチン大統領「信任」83%に!
● 独仏、ロシア産ガスのルーブル払いを拒否!

4 月 1 日
● キーウ周辺部隊の 2 割が再配置開始...ウクライナ東部制圧へ兵力集結

2 日
● ウクライナの極右アゾフ大隊、存在感を示しつつある?

3 日
● ロシア、ガス以外もルーブル決済要求へ
● ウクライナ奪還の街で市民 280 人埋葬、全員が後頭部撃たれた模様!

4 日
● 国連総長、独立調査求める=ブチャ民間人殺害に「大きな衝撃」
● 集団墓地に民間人 150 人の遺体か、強まる「戦争犯罪」の声
● ロシア軍、予備兵6万人投入の見込み
● ウクライナ市民が振舞った毒入りパイでロシア兵 30 人が死傷!

5 日
● ロシア兵、食料不足「犬食べた」 電話の音声公開
● 戦争犯罪に直接関与のロシア軍兵士 2000 人の名簿をネットで公表
● キーウ周辺に集結していたロシア軍部隊の 2/3 が既に移動か



今週のトピックスは、何と言ってもブチャと言う町での民間人の殺害です!
ブチャ以外でも同じようなことが生じているようです。
何のためにそんなことするのか、考えてみたいと思います。

色々なヒトが色々なことを言ってますが、
色々なことが色々と考えられます。

まず今回、確実に間違いないことは、
逃げるに際しての腹立ちまぎれ、です。

これ、どこの戦争でも生じます。
ドイツでも日本でもアメリカでも・・・。
中国人でもインディアンでもベトナム人でも・・・。
古代でも中世でも現代でも・・・。
負け戦のみじめさは、だから、怖いのです。
街を一旦占拠した部隊が負け戦で撤収していくときが
街の住民にとっては一番ヤバイとき、とも言えるのです。
しかも「証拠を残すまい」とする場合も多いことから、
しばしば凄惨な結果が置き土産として残ります・・・。

次に、復讐が挙げられます。

ゲリラ戦、便衣による襲撃、パルチザンなどなど・・・。
普通の住民による火炎瓶攻撃、通報などのスパイ行為、
買い物かごの中に隠した味方への弾丸や手榴弾など・・・。
戦争のルールの中で、
「皆さん、制服を着て、清く正しく戦いましょう!」というのは、
このような状況を作り出さないための一つの知恵なのです。
「ウクライナ市民が振舞った毒入りパイでロシア兵 30 人が死傷!」
というような報道がなされているところを見ると、
このセンは大いにありかと思います。

最後に、上からの指示によるシステマティックな殺害です。

典型的なのは、
ナチス侵攻時のウクライナ住民に対するヒトラーの指示です。
が、今回のケースとしては、この可能性は低いのでは?
と、個人的には、思います。
ゼレンスキーや西側にはそう思い込みたい気持ちがある、
と言うのは良く分かりますが・・・。

自動車や自転車に乗っていて無差別的に打たれたケースや、
イヌやネコまでも撃たれたケースなどは、
逃げる際の腹立ちまぎれだと思います。
後ろ手に縛られて撃たれたケースなどは、
ロシア兵に目を付けられた結果、
尋問を受け(あるいは拷問も)、
復讐されたものだと思われます。

さすがのプーチンも、ウクライナ系住民の根絶などという
とんでもない思想は持っていないと思いますので、
戦術的、戦略的にも全く不利な、
上からの指示によるシステマティックな殺害のセンは低い、
と考えます。
「恐怖心を煽って降伏を促す!」という考えかたも一応はアリかな?
とも思いますが、
少なくともこれまでの展開においては結果的に敵愾心を生んでいることから、
逆の効果をもたらしています。


それにしても、いよいよオデッサがきな臭くなってきました!
しばらく根競べの状況が続くと思います。



今月のウクライナ-12

さて、ロシア軍の情けなさは目を覆うばかりですが、
今回、目の当たりにしつつあるデジタル兵器による戦いぶりには、
多少は軍事に詳しいと一人でほくそ笑んでいたセンセですら
ビックリするばかりです!

第二次大戦の東部戦線で反転攻勢を開始したソ連軍の戦い方といえば、
数キロにもわたる戦線にみっしりと野戦砲やスターリンのオルガンを配置し、
猛烈な一斉射撃を行うと同時に多数のヤクが空を覆い、
射撃が止むと同時におびただしい数の T-34 が轟々と進撃を開始する、
というのが定番でしたが、
今回は相手をなめてかかったことから戦車の数が少ないのは良いとしても、
お行儀よく舗装路を一列で行進し始めたと思ったら
どこからか飛んできたドローンやらジャベリンやらで先頭車両がやられ、
右往左往するうちに全部ボコボコにされるという・・・。

ソ連の放列.jpg東部戦線におけるソ連軍の野砲の砲列 ウイキより

スターリンのオルガン.jpgスターリンのオルガンことカチューシャロケット砲 
へびのぬけがら様より
https://plaza.rakuten.co.jp/cobraxtuchi/diary/200702060000/

クルスクの戦い.jpgクルスク大戦車戦 映画「ヨーロッパの開放」より


YouTube のウクライナ発のニュース動画を見る限り、
少なくとも防御にまわるウクライナ側では、
おなじみの「対戦車砲」やら「高射機関砲」などは認められず、
ジャベリンやスティンガーのような携行型の対空、対戦車兵器ばかりです。

で、これらが実に性能が良い!

いわゆるバズーカ砲に代表される対戦車ロケット弾は
1938 年にスイスの軍事見本市でお披露目されたのがはじめてで、
成型炸薬効果=モンロー効果を利用した新規発想に基づく対戦車兵器です。
成型炸薬効果についてはググって下され!

戦車と対戦車砲とは矛と盾の関係、というのが基本ですので、
戦車は装甲をより厚く、車高をより低くする方向に向かう一方で、
対戦車砲は貫通力を増すために、
初速をより速く、弾をより固くする方向に向かいます。
待ち伏せするためには対戦車砲は基本、なるべく小型化したいわけですが、
そうすると口径も大きくできず、貫通力も限定されてしまいます。
そのため、ソ連の新型戦車 T-34 が登場して
従来の対戦車砲では歯が立たなくなったドイツ軍は、ためしに、
本来は対空兵器であった 88 mm 高射砲を戦車に応用したところ、
大きな成果をあげたというお話は有名です。
ただし、大きな外観からすぐ分かるように、
待ち伏せ型の兵器としては使い勝手が悪かった、と思います。

88 mm.jpgドイツ軍 88 mm 高射砲 一人で歩いて行く人様のブログより
https://blog.goo.ne.jp/kodoku44/e/e8fc6b99c5fb2691f929f4189f851b1b


成型炸薬効果を利用した対戦車ロケット弾は
このような従来の対戦車攻撃の常識を形骸化しただけでなく、
安価であると同時に小型化が可能ですので、
大戦中の米軍ではバズーカ砲として、
ドイツ軍ではパンツアーファウストとして、
日本軍でも刺突爆雷(しとつばくらい)として使用されました。

バズーカ.jpgバズーカ砲 ウイキより

パンツアーファウスト.jpgパンツアーファウスト ウイキより

刺突爆雷.jpg刺突爆雷 「ちょ、ちょっとまっちくり~~~!」 ウイキより
日本軍、ロケット技術が発達してなかったので、
竹の先にくっつけて戦車に突撃したという情けないお話でありますが・・・。


ロシア戦車の表面には四角い箱みたいなのがたくさんくっついてますが、
あれは戦車兵用の「日の丸弁当箱」ではありませぬ!
あれはバズーカ除けの工夫なのです。
大戦後期の欧州戦線に登場するドイツのタイガー戦車やパンツアー戦車、
装甲上にセメントを塗り付けていたり、あるいは、
軌道部側面を薄い装甲で覆っている車両がしばしば認められますが、
これらもバズーカ除けです。
そのメカニズムに関してもググって下され!

ロシア戦車.jpg弁当箱をたくさんつけたロシアの戦車 CNN より
上部の覆いは急遽に現地で取り付けたジャベリン除け


ニュース動画を見る限り、
これらの通常型の成型炸薬弾は
小銃の筒先に付けたりして使用することもできるので、
現行のウクライナでも普通に使われているようです。
これらは誘導装置が無いので安価ですが、
ジャベリンや対空兵器のスティンガーには誘導装置が付いているので、
一発につき数千万円、と高価です。
ドローンにも高価なものと安価なものがあり、
それぞれ使い分けしているようです。

ジャベリンなどは一旦目標を設定して発射すると、
後は自動的に相手に向かって突進し、
多くの場合、目標手前で一旦上昇し、そこから降下して、
装甲の薄い戦車の上部にヒットします。

一発数千万円もするわけですが、
やられた戦車は数億円もするので、十分にペイします。
加えて命中率が 9 割以上もあるようなので、恐ろしい兵器であると言えます。
西側は直接兵隊を送らない代わりに、
多数のジャベリンの供与を約束しています。
防御を専らとするウクライナ側は取りあえずはこれで乗り切って頂きたいと、
バイデン始め西側首脳陣は思っていることでしょう。


さて、今後の展開を考えてみたいと思います。

ロシア側は明らかに戦略を変えているようです。
キエフの確保が無理そうなので圧力の方向を変え、
まずはマリウポリを制圧して東部沿岸を押さえたい、
という形を取りつつあるようです。
一旦マリウポリを制圧して東南岸線を確保すれば、
次の目標がオデッサであることは明白です。

で、センセの見立てとしては、
ロシアは、全力を挙げてオデッサを確保した後、
漸くゼレンスキーと本格的な交渉に入る、と考えてます。
すなわち、オデッサを交渉の最大のカードとして用いる、と思います。

なぜか。簡単です。

オデッサが陥落すれば、ウクライナは黒海へのアクセスが消滅するためです。
従いまして、プーチンは、ゼレンスキーから最大の譲歩を引き出すために、
陥落させたオデッサを返還すると思います。

これで NATO 非加盟を確約させると同時に東南部は確保し、
ゼレンスキーには花を持たせ、
ウクライナも、取り合えずは引き続き存命可能となることで、
西側のこれ以上の介入も封じ込めることができます。
また、国内では、東部ロシア系住民の安全保障を勝ちとった、という形で、
侵攻の正当性も確保でき、
その結果、支持基盤も、取りあえずは、揺るぐこともない、と思います。
オデッサ返還を餌にして、恐らく、
ウクライナの軍備縮小も勝ち取る可能性があります。

さらに言うなれば、大きな犠牲を払って獲得したオデッサを譲歩することで、
「あれは平和のために譲歩したオトコであるよ!」との「賞賛」を、
少なくともロシア国内において、獲得する可能性すらあります!

もちろん上記推論が有効であるためには、
ロシアがオデッサを遅くとも年内に陥落させる必要があります。
これを過ぎると、プーチン自身の存続が危うくなります・・・。

で、ウクライナは、全力を挙げてこれを阻止しなくてはなりませぬ!

オデッサの場合、東方陸上からの攻撃もさることながら、
海上からの攻撃が大変に有効です。

そこで、ウクライナとしては、対艦ミサイルが重要となってきます。
先日も、ベルジャンシクのロシア揚陸艦を
対艦ミサイルで破壊することに成功しました。

で、先日、バイデンがウクライナに対艦ミサイルを供与すると言ったのは、
ここら辺の事情に基づいて述べた可能性があります。
加えて、出来れば、ケルチ海峡にかかる大橋を破壊してもらいたいです。
手持ちのミサイルで破壊は無理でしょうから、
決死の白たすき隊を組織して、ナントか爆破に成功してくだされ!

2 月にはバルチック艦隊の揚陸艦数隻が黒海艦隊と合流しているようですが、
現時点ではエルドアンがボスポラス海峡を封鎖しているので、
ロシアとしてはこれ以上、海上からの援軍を望むことはできません。

黒海艦隊に Z 旗を上げさせてはなりませぬ!

バイデンが供与する対艦ミサイルがどのような効果を発揮するか、
今後も目が離せない状況が続きます。

今回は、昭和 47 年(1972 年)のサンケイ新聞社発行、
第二次世界大戦ブックスシリーズ中の一冊、「大砲撃戦」に多くを負うてます。
ホントに古い本でスイマセン・・・。




今月のウクライナ-11

土曜のお昼は冬はタヌキそば、夏は冷やソーメンを作って 
BS の「関口宏のもう一度!近代史」を見るのが定番でしたが、本日は最終回。
関口氏と保阪正康氏のやり取りですから
事実の解釈などでセンセとしては「?」という側面も多少はありましたが、
基本的にあれだけ固い内容を 2 年以上もきっちりと続け、
幕末から 60 年安保に至るまでを平易かつ丁寧に解説して、
近現代史のおさらいをする上で、地味ですが、有益な番組だったと思います。

来週からのこの時間、何を見ながらソーメンをすするか、困っていましたが、
ナンカ、次週からは、
「関口宏の一番新しい古代史」という番組を放送するとのこと!
ということは、センセの「今月の書評」シリーズと重なる可能性があるわけで、
ツッコミどころ満載の番組となること請け合いのようです。
たぶん、ソーメンをすすりながら、
「そーじゃねーだろ!★★★!ゲホゲホ・・・」とかいうカンジで見るのかな?


さて、ウクライナです。
ロシアの軍事侵攻開始以来、はや一ヶ月が経ちましたが、
ロシアは当初の目標を全く達成できていないばかりか、
戦線は膠着状態に陥りつつあります。
開戦当初は誰もが予想していなかった状況です。
今後どうなるか、
まずはこの一週間の展開を、時系列的に、報道順に羅列してみます。

19 日
● 米シンクタンク「戦争研究所」は、
ロシア軍はキエフ、ハリコフ、オデッサなどのウクライナ主要都市を奪取して
ゼレンスキー政権をすげ替える予定であった当初の作戦に失敗した、と評価

20 日
● ポーランドの首都ワルシャワに拠点を置くNGO「ベラルーシ人会財団」は、
同国義勇兵のウクライナ行きを支援すると発表

21 日
● ポーランド・ベラルーシ国境において、
ウクライナ避難民らが、
EU からロシア・ベラルーシへの物流を阻止すべく抗議デモ
物資を積んでロシアなどに向かうトラックが 30km 以上にわたって足止め

22 日
● S&Pグローバル、ロシア企業の格付け取りやめ

23 日
● 米 CNN は、NATO 当局者の話として、
ベラルーシがロシア支援のために参戦するとの見通しを報じた。
一方、米国防総省高官はこれを否定
● 以下、傍受されたロシア将校の電話内容
- ウクライナはチェチェンよりも酷い
- 兵士の 50% が凍傷を負っている
- ロシア軍は戦死者を搬送することができない
- ロシア軍には十分なテントがない
- ロシア軍機は友軍を誤爆
● 旧ソ軍に所属していた軍事評論家が「ロシア軍の命運は 2 週間」と予想
● プーチン大統領は非友好国にはルーブル建てで天然ガスを売却すると発表
● NATO 、対ロ防衛力強化のため、東欧に新たに 4 個の戦闘群配備を決定

24 日
● ロシアのチュバイス大統領特別代表が辞職...侵攻開始後、初の政権要人の離反
● ロシア中銀総裁がプーチン大統領に辞意を示すも拒まれ、再任
● チェチェンのカディロフ部隊、マリウポリの市庁舎を制圧と発表
● 首都キエフ近郊で露軍が数十キロ後退、作戦修正の動き
● ポーランド、ロシア外交官ら 45 人を国外追放
● チェチェン義勇兵がウクライナ軍に協力
● ウクライナ国防省、ベルジャンシク港でロシア揚陸艦を破壊と発表

25 日
● 米当局者、ロシアのミサイル攻撃失敗率は最大 60% と分析
● ベラルーシ反体制派、ウクライナ侵攻に参加するなと自国兵に呼び掛け
● ロシア、ドンバスに戦力を集中と表明、ウクライナでの計画縮小示唆か?

26 日
● ロシア軍、ウクライナ住民 6000 人をサハリンに強制移住させ、
今後 2 年間の出国禁止措置???ウクライナ外務省発表
● 中国石油大手、ロシアとの投資協議の中止を発表
● スイス、EU と歩調を合わせる形で対ロシア制裁を強化すると発表
● ロシア、千島列島で 3000 人以上参加の軍事演習
● 中部電力・カーリング女子、コロナ陽性で試合放棄!!!

とまあ、こんなカンジの一週間でした。

講道館六段のプーチン氏ですが、
必殺技「ルーブル返し!」が果たして「有効!」となるか!?
今後が見ものです。


  

今月のウクライナ-10

ロシア、生物化学兵器を使用するか!?

ウクライナ兵、「ナンか、最近おなかの調子がいいんだが・・・」
プーチン、「しまった!間違えて乳酸菌を投下してしまった!」


さて、
停戦協議が進展しているとの情報と難航しているとの情報が錯綜してます。
一方で、
マリウポリが包囲され、ウクライナ軍への降伏勧告が出されたようです。

ここで、
ウクライナ軍の抵抗が長引く場合、それはどちらに有利に働くのか、
考えてみたいと思います。

一般的に、長引けば長引くほど経済制裁の効果が現れるからロシア側に不利、
と言われてます。
しかしながら、経済制裁の効果が出てくるほどの長期ではなく、
現行の戦いに影響する程度の中期的な視点から見れば、
抵抗の長期化はロシア軍に有利に働く可能性は十分考えられます。
すなわち、
今回ウクライナに投入されたのはロシア全軍の一部であるのは明らかですから、
時間の経過に伴って、ロシア各地から軍を集める可能性は十分あると思います。

というか、
それをしなかったらプーチンは本当にチンプーと呼ばれてしまいます!

関東軍が満州でにらみを利かしていた頃とは異なり、
極東の軍をシベリア鉄道で運んでも背後を衝かれることはありません。
中国もいることだし・・・。
「ロシア軍は数年間軍事行動を行えるだけの予算を別枠で持っている」、
との情報もあります。軍事は別腹、ということです。
ホントかどうかは知りませぬ・・・。

ロシア軍が、少なくとも今のところ軍備を増強していないのは、
現行投入の軍事力で十分制圧可能と考えているか、
未だ増強軍の態勢が整っていないためか、
あるいは意図的に、
恤兵真綿(じっぺいまわた)でそろりそろりと首を絞める
ことを狙っているのか、
いずれかだと思います。

仮に意図的にゆるゆるとやっているとすると、その意図は、やはり、
ゼレンスキーにかける圧力の効果をじっくりと見極めたい、
彼に、圧力下で、「考える時間」を与えたい、
ということなのかもしれません。

あるいは、本当に、ロシア兵の士気が低いためなのかもしれません。
みんな怖がって、祖父らがスターリングラードで味わったような
過酷な市街戦に陥るのを嫌がっているのかもしれません。
だもんで、シリアの傭兵やチェチェンのゴロツキ部隊を連れてきて
代わりに戦わせようとしているのかもしれません。

本当のところは分かりませぬ・・・。

いずれにせよ、ウクライナにとっては、市街が完全に包囲される前に
ナントか停戦に持ち込む方が良いと思います。
包囲されて補給が途絶え、
市民の間に多くの餓死者が生じるような事態に陥れば、
ロシアに対する轟々たる非難の嵐と同時に、
人道的見地から、
ゼレンスキーに対する全面降伏の圧力が西側市民の間で高まるのは必至です。

但し、この場合、NATO が動き出す可能性も生じます。
NATO が動く可能性としては、
加盟国に攻撃が加えられる以外には、
以下のようなケースが考えられます。

1. 上述のような悲惨な情景が現出すること
2. 戦術核兵器が使用されること

生物化学兵器の使用で動くか否か、これは微妙なところです。
使用の結果、看過できない悲惨な情景が現出すれば、
上記の 1 に該当しますので、
動く可能性が出てきます。

乳酸菌の場合は歓迎されます。
モロトフのパン籠、モロトフのカクテル、スターリンのオルガンに続いて、
プーチンのヤ ● ● ト、と呼ばれるかも知れませぬ・・・。

さて、上記の二つにおいても NATO が動かなければ、
それこそ NATO の存在意義が問われることになります。
もちろんウクライナは NATO に加盟しておりませんので、
その点、言い逃れはできますが・・・。
しかしながら、その場合でも、
NATO はウクライナを人身御供としてロシアに差し出した、との評価は、
今後、未来永劫に、甘んじて受けていかねばなりませぬ・・・。


但し、個人的には、1、2 共に、可能性は低いと思ってます。

前回述べたように、
ゼレンスキーを排除してロシア寄りの傀儡政権を建てた場合、
ロシアはこれを維持できないと思います。
今後さらに経済的に厳しくなってきますし・・・。

ですので、現在の攻勢は、ゼレンスキーとの交渉を有利に進めるための
「陣取り合戦」みたいなものだと思います。
従いまして、西側も、NATO のマッスルを震わす程度のことはすべきです!

落としどころは大体見えてます。
ルビコン川を渡って戻るに戻れないプーチンは
既に大局的な大負けが確定している
ので、
ウクライナは多少譲歩しても構わない、と個人的には思います。
しかもそれは譲歩じゃないです!
虫垂のようにぶら下がったアレやら東のコレやらは
今後のウクライナにおける不安定材料を提供するだけですので、
ここでサッサと手術して切り取ってしまう方が利口です。
プーチンにナチス呼ばわりされる口実も無くなります。
バルカンの轍を踏まない方が良い、と思います。
ここは損切りし、将来にかける方が得策です。
東洋には、臥薪嘗胆という言葉もあります。

但し、オデッサは、絶対に死守してくだされ!



今月のウクライナ-9

アメリカFRB、0.25% の利上げ決定!
プーチン、「偉大なる我がロシアはすでに 20% じゃ!」

ロシア、米ドルによる利払い完了!
バイデン、「歳のせいか、透かしが見えないのじゃが・・・」

ゼレンスキー大統領、日本の国会でリモート演説予定!
ゼレンスキー、「ニホンデワ、ヒロシマ、ナガサキに」・・・。

ロシア軍、ウクライナ民間人に対する攻撃が頻発!
ミック、「もっと多くの避難所を!!!



ウクライナとロシアの関係、
調べれば調べるほど複雑怪奇で頭が痛くなります。
じゃもんで、も少しお時間を下され。

それよりも停戦協議が進展する兆しが見え始めましたので、
これに対してセンセの考えと見通しを述べたいと思います。

多くのヒトが指摘するように、
プーチンはゼレンスキーを全く舐めていたと思われます。
国境沿いに 10 万も集めてマッスルを震わせれば、
「ちょと待ってくれ!」とばかりにサッサとモスクワに飛んでくる、
最低でも侵攻数日で白旗を上げる、と考えていたのは見え見えです。

で、ここが大事なのですが、
プーチンとしては、飽くまでゼレンスキー現行大統領の口から、
「良く分かった! NATO へは加盟しない・・・」
と言わせることが重要なのです。
それも本心からの確約を取り付けることが必須なのです!

なぜか。

ゼレンスキー氏が
ウクライナ住民の民意により正式に選ばれた大統領だから。

彼の口から正式に NATO への非加盟の意思が示されると同時に、
プーチンがウクライナに対する安全保障を確約するのであれば、
西側はこれを尊重せざるを得ません。
また、一部の跳ね返りを除き、
大多数のウクライナ国民は、これを支持すると思います。
東部ウクライナやクリミア半島、これに加えて軍備縮小と戦後処理に関しては、
今後の交渉に委ねればよいだけです。
一旦これで戦火は止む、と思います。

プーチンの下策は、
過去にソ連が東欧で行ってきたように、
適当な罪状をあげつらってゼレンスキーを逮捕~拘束し、
嘘八百の選挙を行って、
ゼレンスキーの代わりにモスクワ寄りの政権を建てることです。
ロシア系住民の多いウクライナ東部やクリミアでは
この方法で取り合えず上手く行きましたが、
西部ウクライナは、この方法では治まらないと思います。
まず、西側はこの政権を承認しません。
住民が戻ってきても、
これまでよりもひどい政治の混乱状態が繰り返されるだけです。

プーチンにとっての下下の下の策は、
ゼレンスキー大統領を殺してしまうことです。
世界中の世論は沸騰し、プーチンの命運は決まったも同然となります。

    ・・・既に決まったも同然ではありますが・・・

この場合、ゼレンスキーは伝説=レジェンドとなり、
仮にウクライナ軍が降伏したとしても、
その後にレジスタンス運動が組織され、パルチザンによる抵抗が激化します。
パルチザンはロシア軍だけでなく、
ロシア寄りのウクライナ人傀儡政府も攻撃するでしょうから、
血で血を洗う内戦状態に陥ることすら考えられます。
これを押さえるためには相当程度のロシア軍が常駐せざるを得なくなるため、
さらに経済はひっ迫し、加えて西側の経済封鎖は延々と続くこととなります。
仮に中国が一旦は助け船を出したとしても、どこかで縁を切られるでしょう。


仮にプーチンが本気のホンコ、
ウクライナの全土併合まで持ち込むつもりならば、
兵隊、戦車、航空機、ミサイル、武器弾薬、兵站が圧倒的に少なすぎるし、
戦略もこんなまだるっこしいものではないでしょう。
兵隊数は最低でも 50 万、できれば 100 万は欲しいところです。
で、半数は、ロストフ~マリウポリ~クリミア~オデッサの南方線を封じ、
残りの半数はキエフ西方のジトーミル~ヴィーンヌイツアを制圧後、
オデッサからの部隊と合流すれば、分厚い西方回廊が形成されます。
いわば、「ウクライナ打通作戦」ということです!
この時、同時に回廊東側の制空権を掌握することにより、
西側からのあらゆる救援は完全に遮断されます。

ウクライナ-2.jpg

もちろんプーチンには、というか現在のロシアには、
この作戦を遂行する力はありません。
また、「大祖国戦争」のような「義」のある戦いではないので、
国民も、負担の大きさを天秤にかけて、これを支持することはないでしょう。

現在、プーチンは、いかにこの戦いに「義」があるか、
相も変わらずの噓八百を並べ立て、
プロパガンダに余念がないようでありますが・・・。


このままゼレンスキーが抵抗をつづけた場合どうなるか、
次に考えてみたいと思います。




今月のウクライナ-8

チェルノブイリ原発、電源停止するもベラルーシが供給!?
ルカシェンコ、「そろそろ南風の季節だし・・・」

ウクライナ、対ロシア軍にトルコ製ドローンが大活躍!
エルドアン、「よかったら S - 400 を使ってもいいよ!」

ロシア、撤退外国系企業の資産を差し押さえか!?
プーチン、「これからはマクドナルドでピロシキを売り出す!」

韓国大統領選、保守系候補が勝利!
ムン前大統領、慣例に従い、堀の中か崖の縁か、あるいは他の道を選ぶか!?
ムン氏、「ワシ、あみだ苦手じゃから・・・


さて、フィンランドです。一気に行きます。
ソ連領内でのドイツ軍の攻勢に陰りが見え始めると、
フィンランドは難しい立場に立たされることとなりました。
すなわち、ナチズムとは無縁なフィンランド軍ですので、
ヒトラーと心中する気は毛頭ありません。
このままドイツが敗北した場合、
連合国、特にソ連による報復は目に見えています。

フィンランド政府は秘密裏にソ連側と交渉を持ちますが、
とても飲むことのできない過酷な条件を突き付けられます。
同時に、ソ連に対する単独講和の動きを知ったドイツは激怒し、
フィンランドへの食料の供給を停止!
国内は食糧危機の状況に陥ります!

そうこうしているうちに、
大反撃をかけてドイツ軍を押し戻したソ連軍は、
これまで見たこともないような数の軍勢をフィンランド国境に集め、
再び侵攻を開始します。
フィンランド政府は一計を案じ、
うまいことドイツから武器弾薬を取り付けるのに成功した結果、
マン将軍率いるフィンランド軍は、
ここでも何とかソ連の攻撃を持ちこたえることに成功します。

1944 年 6 月 6 日、
フランスのノルマンディー海岸に上陸したアメリカを中心とする西側連合軍は、
ドイツの首都、ベルリンに向けて進軍を開始します。
西側にドイツの首都を押さえられたくないスターリンは、
フィンランド戦線から一部の部隊を引き抜き、
ドイツ領に向かわせます。

ここで一息ついたフィンランド。
1944 年 8 月、議会は、マンネルヘイム将軍を全会一致で大統領に選出します。
マン大統領は、
先にドイツから武器供与を受けるために取り決めた約束を反故とし、
ドイツとの関係を断絶!
ドイツ軍のフィンランドからの撤退を要求すると同時に
モスクワとの和平工作を再開し、
ソ連側から示された過酷な講和条件を受け入れることによって、
国土全体をソ連占領下に置くことを避けることに、からくも成功しました。

その後、ラップランドと呼ばれる北西部において、
かつての友軍であるドイツ軍の一部との間で激しい戦闘が起き、
両者共に少なからぬ損害を被ることとなりますが、
この戦いがフィンランドの最後の戦いとなり、
程なく、マン将軍は総司令官の地位を去ることとなります。

最終的に、フィンランドは
領土の割譲に加えて巨額な賠償金を負うこととなっただけでなく、
ドイツ降伏後は、ソ連主導による戦争犯罪裁判により
8 名の政治指導者らが刑に服することとなります。

興味深いことに、マンネルヘイムは訴追を免れました。
満州事変の立役者である日本の石原莞爾も
東京裁判で訴えられることがなかったわけですが、
個人的には、両者相通じるものがあるように感じます。

戦後は、東欧諸国と同様にソ連との友好条約を強制的に結ばされ、
閣僚にもソ連の息のかかった共産党員が何人も送り込まれて
あやうく東欧諸国の二の舞を演じる瀬戸際まで追い詰められましたが、
結局、共産主義嫌いの大多数の国民の前にスターリンも諦め、
ソ連の衛星国となる命運から免れることとなりました。

1946 年、マンネルヘイムは大統領職を辞した後、
1950 年、84 歳の生涯を閉じることとなります。

マンネルヘイム銅像.jpg       ヘルシンキのマンネルヘイム博物館にある銅像
       ベビーキッズTV 様より https://babykids.jp/mannerheim-museum


その後もソ連の存在はフィンランドに長く影を落とし、
大国間の争いからともかく身を置きたいとの強い願望により、
NATO にもワルシャワ条約機構にも加盟せず、
中立を維持しつつもソ連との争いを避ける路線を取り続けるという
いわゆる「フィンランド化」の時代が長く続くこととなりました。



フィンランドは長らくスウエーデンの支配下にあり、
言語を含めて幾度となく「スウエーデン化」の危機に晒されてきました。
マンネルヘイム将軍も、名前から察するように、スウエーデン貴族の出身です。

その後は帝政ロシア~ソビエト連邦の影響下に置かれてきましたが、
今でもなおフィンランドとしてのアイデンティティーに揺るぎはなく、
国民の幸福度など、
多くの指標において常に世界のトップレベルに君臨しています。
国際関係における類まれなるバランス感覚のなせる業と言えるでしょうが、
他方、現在でも徴兵制度を維持し、陸海空の三軍を有する国家でもあります。
隣国スウエーデンもまた長らく中立を維持する国ですが、
2010 年までは徴兵制を採用しており、
自国のサーブ社製国産軍需品による強力な軍備が有名です。

そのフィンランドにおいて、現在、スウエーデンと共に、
今回のロシアのウクライナ侵攻を機に、
NATO 加盟に賛成する国民の割合が高まっています。

ソ連邦崩壊後のロシア国民を統合するものは、
もはや共産主義ではないはずです。
しかしながら、ロシアの行動は、
あるいは少なくともプーチン大統領の行動は、
共産主義時代と変わらないように思えます。
であるとするならば、
ロシアがロシアである限り、
その行動原理に変化は無いのでしょうか?
それともこれは、
ロシアを含めたユーラシア大陸の巨大ハートランド国家の宿命なのでしょうか?

分かりませぬ・・・。



今回は、武田龍夫氏の「戦う北欧」と、
植村英一氏の「グスタフ・マンネルヘイム」を参考としました。
特に、元北欧外交官の武田氏の著作に多くを負っています。

次回からは、いよいよウクライナとロシアの関係に迫りたいと思います。



今月のウクライナ-7

戦闘機の引き渡しで仲間割れが生じる!
「引き渡すのは問題ない。でも、手を下すのはオレじゃない!」

都市住民の間で略奪が発生!
完全封鎖時の惨劇の予兆か!?



さて、フィンランドです。
寡兵をもってよく戦ったフィンランド軍ですが、
ソ連軍は一旦態勢を改め、兵力も二倍に増強し(すなわち 100 万!)、
力に任せてさらに押し出してきました。
さしものマンネルヘイム将軍も後退に継ぐ後退。
フィンランドは
わずか 22 年前に出来たばかりの国を失う直前にまで至りましたが、
ナントか講和に持ち込むことができました。
しかしながら、
そのための代償として、
国土の大幅な割譲を余儀なくされます。

ザ・スプートニクスでおなじみのカレリア地方の多くも、
ソ連に引き渡されてしまいました。

フィンランド 冬戦争.jpg              ソ連に割譲された地域(赤色)
              ウイキワンドより


ところがその後、アドルフ・ヒトラーは、
スターリンとの握手の手のぬくもり未だ冷めやらぬなか、
1941 年 6 月 22 日、
突如として独ソ国境を越え、ソ連領内に進攻します。
いわゆるバルバロッサ作戦 = 赤ひげ作戦と呼ばれる独ソ戦の開始です。

因みに、冬戦争で示されたソ連軍の戦いぶりの稚拙さが、
その後のヒトラーの独ソ開戦を導いた一つの要因となった、
とも言われています。

この頃までには北欧のデンマークとノルウェーは既にドイツ占領下にあり、
ドイツはフィンランドに軍の進駐を要求し、これを飲ませます。
冬戦争で失われた領土の失地回復の機会という面もあり、
フィンランド軍はドイツと手を組み、再度ソ連軍と交戦を開始!

世に言う「継続戦争」の始まりです。

スターリンがヒトラーの侵攻計画を知っていたのか本当に知らなかったのか
専門家の間でも意見の分かれるところではありますが、
赤軍の大粛清のせいもあり、
ドイツの緒戦の勝利はまことに目覚ましく、
ソ連は敗退に継ぐ敗退!
数百万にものぼる捕虜を出すと共に、
一気にモスクワ前面まで攻め込まれてしまいます!

しかしながら、フィンランドにとってはやむを得ないこととは言え、
ナチスドイツと連携して戦争を戦ったという事実は、
冬戦争で獲得した世界中からの賞賛を一気に失う結果となりました。

ために、英国は、フィンランドに対して宣戦布告を行うこととなりました。

また、マンネルヘイム将軍率いるフィンランド軍は失地回復後、
度重なるヒトラーの要請を断り、
そこからは一歩も動かず、回復した領地に留まります。
ドイツとの同盟軍ではない!との意思表示と同時に、
終結後の講和を見据えた行動だと考えられます。

ここら辺が日本軍と違うところですね!

ただし、戦術的理由から、
フィン軍はわずかにソ連領に踏み込むのですが・・・。



緒戦の大勝利に気をよくしていたヒトラーですが、
スターリングラードの攻防戦で一敗地にまみれ、
その後は戦況を好転させることができず、
ジリ貧に陥ります。


さらにつづく!


今月のウクライナ-6

痛みを伴う経済封鎖!
西側はインフレ、ロシアはハイパーインフレ必至か!?

ウクライナ、二重スパイを射殺!
KGB 出身のプーチン、諜報戦は朝飯前!

ロシア国内の反戦デモ、広がりを見せるもプーチン支持率は上昇!
プーチン、「そういうことだ・・・」

トルコ、仲介役を買って出る!
エルドアン、「取り合えず、存在感を示しておくとするか・・・」



さて、フィンランドです。
原理的にも現実的にも不倶戴天の敵同士、
と見られていたナチスドイツとスターリンソビエトは、
1939 年 8 月、唐突に、独ソ不可侵条約を結びます。

「欧州の天地は複雑怪奇なり!」との言葉を残して
平沼騏一郎内閣が瓦解したという有名な一件ですが、
秘密条項として、
ポーランド分割とバルト三国のソ連への編入、
そして、
フィンランドをソ連の支配下におくという密約が交わされておりました。

1939 年 9 月 1 日、ドイツ機甲軍団はポーランドに進攻し、
一気呵成にこれを制圧!
東から攻め込んだソ連とポーランドを二つに分割し、
互いに自国領としてしまいます。

ソ連側に組み込まれたポーランドにおいて、
ソ連軍は、かの有名なカチンの森事件を引き起こし、
早くもソ連式統治法を示します。知らない方はググって下され!

カチンの森事件は、
その後にナチスドイツが東ポーランドに進攻した際、
明るみに出ることとなりました。
ドイツはこれをプロパガンダに利用する一方で、
ソ連はナチスドイツのせいにするわけですが・・・。

さて、一方のソ連は、同年 11 月、
50 万にものぼる大軍をフィンランド国境に揃え、
航空機による大規模な爆撃に続き、数千台の戦車を押し立てて、
フィンランド領内に怒涛の如く進攻し始めました。宣戦布告もなく。

世に言う「冬戦争」の勃発です。

圧倒的に武器、兵力で劣るフィンランド軍ですので、
世界中の誰もがフィンランドの降伏は時間の問題、と考えていました。
ところがここで奇跡が生じた!
マンネルヘイム将軍率いるフィンランド軍が至る所でソ連軍を撃破し、
早々に侵攻を食い止めたのだ!

スキー部隊や火炎瓶による戦車攻撃、雪に偽装した狙撃兵らの活躍が有名です。
この時にフィンランドは、総人口の 20 %にものぼる動員を行った、
と言われています。

冬戦争 スキー部隊.jpg          白色の服でカムフラージュしたフィンランドのスキー部隊
          ノルディック、バイアスロン競技の原点でしょうか?
          ウイキより


この時のソ連軍にはスキー部隊はなく、雪上を徒歩で行進。
スターリンによる将校の大粛清により、
まともな戦い方も知らない部隊で編成され、
神出鬼没のスキー部隊によって徹底的に叩きのめされます。
結果、 3 万弱の戦死者を出したフィンランド側に対し、
ソ連側の戦死者~凍死者は 2~30 万に達したそうです。

スターリン嫌いのフルシチョフは「 100 万だ!」と言ってたそうですが・・・。





今月のウクライナ-5

ロシア軍の攻撃でウクライナ原発が火災!
鎮火するも、一時、世界中が騒然となる!

ロシア新興財閥に対する制裁発動!
プーチンはウラジミール・ボッチノスキーとなるのか!?

NATO、ウクライナ領空飛行禁止区域設定を拒否し、非介入の意思を示す!
ミュンヘン会談の再現か!?

北朝鮮、どさくさに紛れて次々とミサイル発射!
「ボクのことも忘れないで!」

ダイキンオーキッドレディース!
西郷真央、笑顔の初優勝!



ロシアの侵攻、滞っております。
当初、鎧袖一触かと思われましたが、ウクライナ国軍、しぶといです。

さて、今回は、フィンランドについてお話します。

「なぜフィンランド?」ということですが、
フィンランド史を語ることでロシアの本質が浮彫となるためです!

過去ログで何度もお話したように、
フィンランド人の祖先は中国人です!
という言い方は冗談じみてますが、
フィンランド人に多く見られる YDNA のハプロタイプ N
漢族の主たるハプロである O から派生したものです。
フィンランド人の祖先は、今から 5~6000 年も前、
現在の中国西遼河地域において紅山文化に代表される遼河文明を打ち立て、
古代中国王朝の文化にも大きな影響を与えた人々です。

その後、気候変動や周辺民族の圧迫などにより、
ハプロ N の人々は故地を離れ、
主として北方に拡散して行きました。
そのうちの一派がフィンランド地域にたどり着き、
現在のフィンランド人の根本を形成することとなったのです!
まことに興味深いですね!
今ではすっかり外見は欧州人ですが、
ケッコネンやカッコネンやナンヤネン?という名前からも分かるように、
言語は全く異なります(同じ冗談の使いまわしでスイマセン・・・)。
この点、ハンガリー人やトルコ人と同じです。
三者ともに、遥か東方のアジアから遠路はるばるやってきました!

さて、近代以前のフィンランドは長らく隣国スウエーデンの支配下にあり、
30 年戦争当時のスウエーデン王、グスタフ・2 世・アドルフの時代には
スウエーデン王国のパシリとして、
多くのフィンランド人が兵士として狩りだされていました。
その後の北方戦争時にはロシアのピョートル大帝に国中が蹂躙されるなど、
踏んだり蹴ったりの長い過去を歩んできたようです。
19 世紀になるとロシアのアレクサンドル 1 世がフィンランドに進攻して
スウエーデン軍を蹴散らした結果、
今度はおよそ 100 年の間、ロシアの支配下におかれることとなります。

ロシア革命の混乱に乗じて漸く独立を果たすのは、
第一次世界大戦も末期の 1917 年のことです。

この時、ロシア革命の影響をもろにかぶったフィンランドは
ボルシェビズムの赤軍と反共の白軍に分かれ、
同じ民族同士、血で血を洗う残酷な内戦の舞台となってしまいます。
ロシアのボルシェビキはフィンランド国内に赤軍を送り込み、
猛烈な扇動工作を行い、
社会主義労働共和国政権を一旦は打ち立てます。

この時に白軍を率いて赤軍をせん滅し、国内を統一したのが、
知る人ぞ知るフィンランドの英雄、
カール・グスタフ・マンネルヘイム将軍です!
センセが最も尊敬する歴史上の人物の一人であり、
マン将軍を語ることでその後のフィンランドの歴史を語ることができる、
と言っても過言ではありません!


マンネルハイム将軍.jpg          フィンランドの英雄、マンネルヘイム将軍 
          ILTA~~SANOMAT より
          https://www.is.fi/kotimaa/art-2000005073154.html
          プーチンとケマル・パシャとマンネルヘイムと、
          三人でにらめっこすると誰が勝つかな?


さて、その後、フィンランド国内は、
右派と左派との間で大きく揺さぶられる展開となります。
ここら辺の事情は、当時の欧州諸国はどれも同じです。
イタリアでファシズムが、ドイツではナチズムが台頭してくる時代です。

つづく!