今月の書評-52

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この時期、いわゆる寒の戻りとか春の嵐とか色々あって、どっちつかずのどうにもやりきれない日々が続きますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?

元号が変わるのはもうすぐですし、イギリスがEU を離脱するのかしないのかあるいは答えを先延ばしするのか、これも目前に迫っています。
NZ では恐ろしいヘイト犯罪が発生、ベネズエラは混乱の極みですし、隣国の(両隣の)大統領は色んな意味で「大丈夫?」ってカンジですけど、昨晩は前髪がかあいい中部電力の女子カーリングチームがスコットランドに大勝利!
本日は(ついさっき!)アメリカにも大差で勝った!!

女子カーリング.jpg
読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20190227-OYTNT50145/
勇気凛々瑠璃の色!


だもんで、結構ルンルンしているセンセです(以降、個人的に「中部電力前髪チーム」と名付けるぞ!)。

さて、「今月の書評-42」で鳥取の弥生遺跡から出土した弥生人骨について色々述べたセンセですが、その後、国立科学博物館の篠田謙一先生がさらなる分析結果を発表されました。
で、「大国主は弥生系ののっぺり顔のオンナが好みだった!!!」というセンセーショナルな結果となりましたので、ご報告いたします。まずは、状況をまとめてみました。

1. 1998 年、鳥取県の青谷上寺地(あおやかみじち)から弥生時代の遺跡が見つかり、そこからおよそ100 体分の人骨が出土した。
2. この集落は、弥生時代前期後半(紀元前4~500 年)に出現し、その後発展するが、古墳時代前期初頭(起源後300 年くらい)に消滅する。
3. 集落の周りに堀を巡らせ、さらに頑丈な板塀で囲うなど、厳重な防御設備を備える。
4. 土器、青銅器、鉄器、中国の通貨なども出土。
5. 出土人骨は老若男女が混在し、2 世紀くらいのものと考えられる。人骨は散乱した状況で出土し、同時に殺傷痕が見られるものも多いことから(5300 点の骨片のうち、110 点)、戦闘があったことが示唆される。

以下、DNA 関係。

1. 32 体の人骨でmtDNA 分析が可能であった。結果、31 体は大陸系のハプロタイプであり、縄文系はわずかに1 体のみであった。
2. 32 体のうち、29 体で血縁が無かった。
3. YDNA が抽出できた4 体を分析した結果、3 体が縄文系であり、1 体のみが大陸系であった。

という状況です。

今月の書評-19」でもお話したように、現在の日本列島、特に東日本~北海道と南九州~沖縄において縄文系のYDNA (男系です)が比較的良好に残っているのに対し、縄文を彩るmtDNA (女系です)は痕跡程度にしか残っていない、という事実があります。そして、その理由として、

1) 弥生期になって半島から渡来したものの多くは女性であった。
2) 縄文の男はこぞって弥生系の女性を女房にした。
3) 縄文後期~晩期の人口停滞~減少と何らかの関連がある?

の三つを指摘しました。ま、1) は冗談ですけどね・・・。

で、これにもひとつ付け加えたいと思います。それは、「今月の書評-20」で指摘したように、「喜界カルデラの大噴火」により、多くの縄文人が朝鮮半島南部に移住した可能性です。

4)半島南部で縄文人と交わった連中が、その後に列島に渡ってきた。

ということです。

本質的には、YDNA 分析の数が少なすぎるので決定的な結論といえるものではないと思いますし、mtDNA 分析の32 体のうち、29 体で血縁関係が無かったという結果が何を意味するのか、「さらに謎が深まった」というのが真相かとも思いますが、とりあえず結果を素直に受け入れたうえで妄想すると、以下のようになると思います。

以下、お得意の妄想タイムです。





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このページは、喜源テクノさかき研究室が2019年3月17日 12:06に書いた記事です。

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