昭和40年代:時代と音楽-3

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ボブ・ディランは、ビートルズと同じ年、1962年=昭和37年にデビューしました。
キューバ危機が1962年、JFKがダラスで暗殺されたのが1963年、キング牧師のワシントン大行進が1963年、そしてベトナムのトンキン湾事件が1964年・・・。
昭和40年のちょい前のアメリカ~世界情勢です。

基本的に、昭和40年代とは、しばしば代理戦争の形をとって具現化した冷戦と呼ばれる米ソの覇権争いが世界に多大なる影響を与えた時代です。
政治状況にとどまらず、音楽、絵画、映画、文学などなど、あらゆる分野において、多かれ少なかれ、東西冷戦が暗い影を投げかけた時代でした。

アメリカ国内では、同時期、キング牧師らによる黒人差別撤廃を目指した公民権運動が盛り上がりを見せ、日本国内では、1960年の日米安保条約改定に反対する全学連を中心とした激しいデモ闘争の余波がいまださめやらぬ頃です。


ボブ・ディランやビートルズが登場する前の軽音楽の世界は、エルビス・プレスリー、リトル・リチャード、ビル・ヘイリーらに代表されるロックンロールや、プラターズやドリフターズなどに代表されるドウワップ音楽の全盛期でした。
この時代の音楽には「怒れる若者の情念の吐露」はゲップが出るほど見られますが、若者を取り巻く政治~社会~環境などに疑問を投げかけるような問題意識はほとんど見られません。
そんな中、アメリカではボブ・ディランが、イギリスではビートルズが突如として出現します。そして、この年、1962年を境として、世界中の若者文化が一気に革命的な変化を遂げ、それが一大潮流となって、世界を大きく揺るがす時代を迎える事となるのです。


ビートルズの華々しいデビュー時に比べれば、ボブ・ディランは、当初、一部のファンの間で話題になったに過ぎません。ビートルズは、少なくとも初期はショウビズ指向である一方で、ボブ・ディランは骨の髄からのボヘミアン芸術家タイプ。この両者が交わるのはまだ少し先の事で、ディランのあの名曲、「風に吹かれて」のヒットを待つことになります。

この時代、昭和40年のちょいと前の頃、センセは未だ小学生でしたので、音楽なんぞにはちっとも関心がありません。友人らともっぱら戦争ごっこに明け暮れていた時代でした。けれども五つ年上の兄にとってはビートルズの「Please please me」のリリースは頭に爆弾を食らったような衝撃だったそうで、その兄の影響がセンセに強く現れるようになるには未だ数年を要することになります。

東京オリンピックが昭和39年=1964年、センセが東京新宿区のW中学に入学するのが昭和42年=1967年、大阪万博が昭和45年=1970年。

ビートルズが衛星中継でイギリスを代表して「All you need is love」を流したのが1967年の時で、中学1年生だったセンセも白黒TVでリアルタイムでこれを見ておりました。ナンか、サンドイッチマンみたいなヒト達が風船の舞う中を「めちゃくちゃ」なカンジで適当に歌っているなア、と、子供心にも「正直に」思ったのを覚えています・・・。



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このページは、喜源テクノさかき研究室が2016年10月17日 22:31に書いた記事です。

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