今月の書評-118

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今日も元気で腰が痛い!

で、舞台はいきなりアメリカに移ります。
アメリカの ♪ サンフランシスコ~とか、ニュージャージーとか、ニューヨークとか、皆さんよくご存じの地名かと思います。
で、サンフランシスコは聖フランシスコに因む(ちなむ)名前であり、ニュージャージーとニューヨークはもともと英国にあった地名のジャージーとヨークに因んで英国の入植者が付けた名前です。
さらに、ジャージーはジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)に因んだ名前であり、さらにさらに、皆さんが日常的に着ているジャージーもまた、これに因んだ名前だそうです。もちろん、ジャージー牛の名前の由来もここにあります。知ってた?

一方、マサチューセッツを始めとして、フロリダ、ミシシッピー、イリノイ、ユタ、カンザス、ケンタッキー、ミシガン、オクラホマ、ダコタ・・・きりがないのでオシマイとしますが、これらはみな、アメリカインディアンの言葉に因んだ地名です。もっとあります!

因みに、ハワイは、原住民であるポリネシア人の言葉に由来します。
以上、アメリカ大使館のHP からです。Thank You Americans !

で、センセが言わんとしていることは、もうお分かりかと思います。

あの、先住民をほとんど壊滅状態に追い込んだアメリカですら、これだけ多くの先住民に由来する地名が残っているわけです。いわんや日本においてをや!
ということです。

例えば、以前にも書きましたが、東北北部から北海道においては、アイヌ語由来の地名が数多く残ってます。
従いまして、恐らく、というか間違いなくと申しましょうか、我々の身の回りでごくごく当たり前のように口にしている地名やその他の名称において、縄文時代由来の言葉は数多く残っているはずです。しかしながら、それが何なのか、皆目分からない・・・。

その原因の一つ、というか主原因と言うべきか、が、「漢字」です。

表意文字である漢字と表音文字であるカナを混合した日本語の書き方って、すごく便利だと思います。手書きの場合、漢字って面倒くさい!と漢字る www こともしばしばありますが、PC が普及した現在、PC 付属のワープロソフトで書くぶんには痛痒を漢字ません。 ← しつこい!

で、日本語に漢字があるがゆえに、日本語には、ダジャレに代表されるような「言葉遊び」が、他国の言語と比べて、多いような気がします。センセもずいぶん利用させてもらっています。
中国では音を表すにも漢字を使用しなくてはならないため、皆さんご存知のように、コカ・コーラは大陸では可口可乐、台湾では可口可楽と記載されます。

ん?カコ・カーラ?

お隣の韓国においては、自ら漢字の使用を大幅に制限してしまったがゆえに、第三者的視点から見れば、かえって不自由になっているんじゃないかなあ~可哀そうだなあ~と、棒読みですが、感じてしまいます。

で、そんな漢字ですが、縄文時代由来の地名や言葉にも当てはめてしまった結果、取り合えず意味が通じることになってしまい、「もともとそうなんだ」と、現代の我々が疑問を持たなくなってしまった、そんな地名や言葉が多々あるのでは?と考えてます。

で、そのように古来より伝わる地名や風物に、「出来る限り美しい漢字をあて、その由来と共に逐一報告しなさい」としたのが、風土記です。
古事記も日本書紀も、恐らくは、これと同じ考え方に基づいて書かれているのでしょう。
記記紀が編纂された当時においては未だカナは発明されていなかったため、万葉仮名に代表されるように、音に対して漢字を当てはめる以外の方法がなかったので、これは致し方ありませんし、その結果、文書として残り、現代の我々の古代に対する知識も増えるわけですから、これはまずは一義的に大変よろしいことであると思います。
さらに言うならば、万葉仮名の使用法には一定の規則があるらしく、現代にあっては同じ音であっても万葉仮名では別の文字を用いて使い分けている事実があることから、古代と現代では、例えば同じ「はひふへほ」であっても実は異なった発音をしていた可能性が明らかとなるなど、当時の編者の意図を超えた歴史的効果が認められます。

で、記記紀においては、名前を残すだけでなく、それがどんなに荒唐無稽であっても、その由来までひねくり出した結果、逆説的ではありますが、その荒唐無稽さが返って怪しい!

で、次回、古事記や日本書紀の中でも最大に怪しいこじつけを例にとって、出雲について考えていきたいと思います。




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このページは、喜源テクノさかき研究室が2021年5月 4日 10:35に書いた記事です。

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