今月の書評-69
O1b2 は、日本人~朝鮮人~満州人ともにざっと30% 程度に検出されるハプロです。で、日本人と朝鮮人は分かりますが、なんで満州族に比較的高い頻度でO1b2 が見いだせるの???
だって、O1b2 って稲作と強く関連したハプロタイプでしょ?
満州って、とてもじゃないけど水田稲作って無理だよね?
と頭を悩ませたセンセですが、いくつかの可能性を考えた。以下・・・。
1) 戦前の入植により、朝鮮人の血が混じった。
2) 清の時代(満州族国家だ)に混じった。
3) これは、夏王朝の生き残りだ!
1) の可能性であるが、これは今の吉林省に数多く住んでいるいわゆる「朝鮮族」を表しているのかと思ったが、図で濃く染まっているところは北朝鮮と国境を接する吉林省からは程遠いし、何と言っても「満州族」から検出されたわけだし、さらにはそもそもO1b2 100% ではない朝鮮族の血が満州族と混ざったならば満州族のO1b2 の%はもっと低くてしかるべきだし・・・。
2) YDNA はオトコからオトコに伝わっていくものだ。清朝時代の朝鮮は、いわゆる李氏朝鮮の時代だ。李氏朝鮮時代の朝鮮のオトコが清朝の満州族のムスメを手籠めにしたなら話は分かるが、当時の両者の関係をみれば明らかであるが、そんなことしたらたちまち李朝は怒った清の袁世凱により滅ぼされたことであろう!逆に多くのムスメを清朝に献上していた話はよく聞くが・・・。
3) 「史記」の「匈奴列伝」には匈奴の先祖は夏后氏であり、この夏后氏は夏王朝の一族である、と書かれているそうだ。すなわち、夏王朝が商に滅ぼされたとき、一部の者たちは北方に逃れたのだ!今の満州族の血には多くの漢族系のO2 が混じっているが、基本的にはツングースやモンゴルのC2 が主体であり、これに遼河文明をもたらしたN の血なども混ざっている。匈奴~フンヌ~フン族~フンガリア~ハンガリーという連想もあり、当時の「あそこら辺」は民族的に相当に混沌とした状況だったのだろう。うむ、これに間違いあるまい!!!
という結論に達しました。
西太后の写真 ウイキペディアより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%A4%AA%E5%90%8E
で、夏人とO1b2 ですが、両者の関係に関してはこれを支持するものもナカナカ多く、以下、列挙します。ウイキからだけど・・・。
2) そもそも禹は治水で名を成したオトコである。南船北馬であろう。
3) 春秋時代の長江下流域に勢力を誇った越は、夏人の末裔を自称していた。
加えて、呉越が戦を交えた有名な会稽(かいけい)には禹の墓があると伝えられている。
んんんん、O1b2 とO2 のハイブリッドである夏人、ナカナカ怪しい連中だっ!
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