昭和40年代:時代と音楽-24
「古き良きアメリカ」時代のアメリカ映画を代表する俳優が、ジョン・ウエイン。センセらの世代では、「アラモの砦」や「史上最大の作戦」などを思い出します。
スペクタクル映画としては、1959年の「ベン・ハー」、1960年の「スパルタカス」、そして1962年の「アラビアのロレンス」あたりでしょうかね。1963年の「北京の55日」も加えてよさそうです。
ロマンスとしては、ちょいと古めで1955年の「旅情」と「慕情」。キャサリン・ヘップバーン主演の「旅情」はイギリス映画ですが、両者とも、音楽が忘れられないですね。センセなんぞもグッと来てしまいます・・・。先に述べたオードリー・ヘップバーンの1961年の映画、「ティファニーで朝食を」も加えられますね。
ウオルト・ディズニーの一連の作品もまた、この時代を代表するものとみて良いかと思われます。いろんな意味で・・・。
というわけで、古き良き時代のアメリカ映画は、確かに安心して見ていられます。価値観~アイデンティティーに揺るぎが無いが故に・・・。
このような状況に最初の一矢を放った映画が、1962年のグレゴリー・ペック主演、「アラバマ物語」です。アラバマ物語、センセは比較的成長した時分に見ましたが、ある種不思議な雰囲気に満ち満ちた映画であった印象を持ってます。詳しい内容に関しては、ウイキにでもあたってください。
丁度この頃から黒人公民権運動が高まりを見せ始めると同時に、ベトナムへの介入、キューバ危機など、米国国内~国外が騒然としてきました。ボブ・ディランやジョーン・バエズの活動が本格化し始め、ビートルズが世界中の音楽シーンに影響を及ぼし始めた時代です。これら一連の状況の変化は、音楽のみならず、映画の分野にも影響を及ぼすこととなりました。いわゆるアメリカン・ニューシネマの登場です。
アメリカのニューシネマの代表作といえば、通常、1967年の「俺たちに明日はない」が真っ先に取り上げられます。ボニー&クライドの男女二人組ギャングの逃避行のお話ですが、最後は追いつめられて車ごとボロボロに銃撃されておしまい、となります。ウオーレン・ビーティーとフェイ・ダナウエイが両者を演じます。あの有名なバンジョーの音色とともに、センセの青春を彩る映画の一つです。
なぜこれが「ニュー」なのか、今ひとつピンとは来ないのですけど、ハッピーエンドじゃ無いこととか暴力~性的な描写が従来には無い程度にあからさまであったこと、などが理由にあげられています。でも、センセに言わせれば、たぶん、本質的には、「強く正しく美しいアメリカ人」という従来のテーマをぶちこわすものだったから、「ニュー」なんだと思います。いわゆる「アンチヒーロー」が主役となる一連の映画の登場です。
ボブ・ディランなんか、典型的なアンチヒーローですからね!
アメリカの、漸くの、「内省の時代」の始まりです。
1969年になると、デニス・ホッパー監督の「イージー・ライダー」、ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード主演の「明日に向かって撃て!」、ダスティン・ホフマンの「真夜中のカウボーイ」と、立て続けにアメリカン・ニューシネマの名作が発表されます。
ステッペン・ウルフが歌う「イージー・ライダー」主題曲の「Born to be Wild」、B・J・トーマスの「雨にぬれても」、そしてジョン・バリーの「真夜中のカウボーイ」のテーマ曲、三者三様ですが、どれもこれも、当時の雰囲気を如実に表す名曲です。
「真夜中のカウボーイ」の魂に染みいるハープの音色、泣けますよね・・・・・・。
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