お焦げとガンについて-16
その他の気になる因子-2
牛乳の次は、トウガラシについて考えて見ます。
何故トウガラシ?と言うことですが、これにはもちろんキムチが関係しています。
日本と韓国との大腸ガン罹患率の比較において、食肉の量と並んで料理法が大いに疑われるとの結論に達しましたが、キムチに代表されるトウガラシを用いた料理法も韓国料理の特徴です。加えてトウガラシの刺激性は大いに知られているところではありますので、これが、例えば大腸粘膜を刺激し、その結果、大腸ガンの補助的な因子として働いている可能性も、理屈としては考えられる訳です。
カプサイシンは発ガン促進因子?抑制因子?それとも無関係???
トウガラシを特徴付ける刺激性成分の正体は、カプサイシンと呼ばれる物質です。ヒトにはカプサイシンに対する受容体が存在し、ヒトによって感受性に違いがありますが、僅かな量のカプサイシンでも発汗や発熱などの反応を引き起こします。
センセの場合は敏感で、たぬきソバに七味を加えて食べると、あっという間に額から汗が滝のように流れ落ちてきます。まるで「汗ボタン」のスイッチを押したかの様です。何でこの様な仕組みがヒトに備わっているのか、謎であると同時に興味深いところです。
トウガラシは日本の戦国時代に南蛮人によって伝えられ、その後の秀吉の朝鮮征伐の時に半島に伝えられたと言われています。
皆さん既にご承知の様に、料理にたくさんの量のトウガラシを用いるのは韓国だけでは無く、タイを中心とする東南アジアの国々~中国の四川料理~メキシコなどなど、それぞれの国や地域の料理文化を特色づける食材となっています。トウガラシの多食を原因とする病気がこれらの国や地域には多い、などと言う報告を見聞きしたことも特にありませんので、これまで気に止めたことも無かったのですが、今回のお焦げとガンの関連を調べてきた結果、疑念が生じてきましたので、少し調べてみました。
PubMed (パブメド)と言うバイオ系の論文データベースでチェックしたところ、「カプサイシンは発ガン促進因子である!」と言う論文と、「イヤ!発ガン抑制因子である!」と言う論文と、見事に半々に分かれて大げんかの真っ最中でありました!
A の論文は「カプサイシンはNK 細胞を弱体化する!」と言う一方で、B の論文は「カプサイシンはガン細胞にアポトーシスを引き起こす!」と主張します。他にも色々なメカニズムへの影響~効果をあげて、白旗黒旗を揚げたり下げたりしているのが現状です。
Reviewer は、「少量のカプサイシンは発ガン抑制に働き、大量のカプサイシンは発ガン促進に働く」と、無難な地点に軟着陸しているのが多いです。
結局、良く分かりません!一つはっきりしているのは、カプサイシンは発ガン誘発因子~細胞変異因子では無い!と言う事です。
ここはReviewer (当該トピックに関するたくさんの論文をまとめ、紹介~評価するヒト)と同じく、「普通に食べてればいいんじゃない?」ってトコロでしょうか。
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