疲労・休養・栄養・運動-2

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続きです。

本題の「疲労・休養・栄養・運動」ですが、これについて書こうと思い至ったその理由は、先にも述べました様に、低血圧症その他、様々な原因によって発生する疲労感を何とか克服しようと、あ~でもないこ~でもないと、これまで長い間色々な解決法を自ら試して来た結果、誠にへっぽこではありますが、多くの経験知も蓄積して参りましたので、これらをここで一つ皆様の前に開陳致し、共有して見ようかと思い至った為でございます。

本題の「疲労・休養・栄養・運動」ですが、皆様よくよくご承知の通り、これらは密接に関連しています。心の底からグータラなお人は別にして、多くの人々は、人生の上で何らかの「成果」をあげたい、と考えているかと思います。「成果」の意味は個人個人で異なっていることでしょう。普通のサラリーマンの場合、「成果=出世、給料の上昇」と言うカンジでしょうか。芸術家や技術者、研究者などは「質の高い作品や製品の完成、新発見」などを意味する場合も多いかと思います。既に引退されている方々でも、趣味に打ち込んでいる方々などは、例えば「日本百名山を踏破する!」とか、「日本一のサツキを育て上げる!」とか、これら全て「成果」をあげたいと言う言葉の範疇に入るかと思います。人間の自然な思いですね!

さて、とはいうものの、成果を上げるためにはがんばらなくてはなりませぬ。「仕事をしなくてはなりません」と言い換えても良いですね。成果=仕事量×仕事の質、と定義してもOKかも知れません。この様に定義すれば、仕事の質が高いヒトは仕事量がより少なくても成果を上げることが出来るでしょうが、そうでなければ仕事の量をこなさなくては成果を上げることは出来ません。成果をあげるために一生懸命仕事をします。そうすると、必然的に、「疲れます」。問題はここからです。

疲れた後は、しっかりと食事をし、ゆっくりと休めば回復します。常識ですね!若いうちはこのサイクルが短いですけど、歳をとるにつれ、回復時間が長くなります。従いまして、「老化」は疲労に対するマイナス要因の一つとなります。これも当たり前ですね!

次に、「仕事」の量と質が問題となります。「大企業の社長に絶対になる!」とか、「日本の総理大臣になるぞ!」とか、何でも良いのですけど、大きな望みをもって日々の仕事をこなしていきますと、そうで無いヒトと比べて、当然仕事の量と質が異なってきます。仮に各個人の資質や才能が同じと仮定しますと、必然的に「成果」の値が増加すれば、仕事量が増えます。一方で各個人の寿命や、仕事が出来る期間が同じと仮定しますと、一日の時間は各個人とも24時間と平等ですので、増えた仕事量をこなすため、高い「成果」の達成を望むヒトはそうでないヒトに比べて「仕事」以外に使う時間を「仕事」のために使う必要が生じます。その中には、仕事によって疲れた体を休めるための時間も含まれる場合もある訳です。従いまして、「仕事の量が増える」、「仕事の質が高まる」ことも、疲労に対するマイナス要因となる訳です。当たり前の事をくどくど言っている様にも思えますが、実はナカナカ重要な事を述べています。

「老化」は誰しも逃れられません。「仕事の量と質」は、これは落とそうと思えば落とせます。でも、自分のプライド、周囲の期待、或いはもっと実質的で切実な理由(例えば給料が減る~首になる~会社がつぶれる)から、これを落とすわけには行かない場合もしばしばです。実際のところ、誰もがこの「仕事の量と質」と「疲労」の狭間(はざま)で悩んでいるわけです。

こういう状況から、何とか疲労回復を短時間で片付けてしまおう、と言う安直な考えが出て来ます。

すぐに思い浮かぶ方策は、いわゆる疲労回復系のドリンク剤の飲用です。ドリンク剤の裏のラベルを見ていただけるとすぐ分かりますが、殆ど全てのドリンク剤にはカフェインが多く含まれています。実際のところ、疲労回復系ドリンク剤の効能の殆どは、このカフェインによるものです。カフェインは吸収も良く、直ちに交感神経が興奮しますので、短時間で疲労感が吹き飛ぶ感覚が得られます。センセも若い頃に色々試しまして、ある時、¥300ぐらいの比較的高級なドリンク剤を立て続けに5本飲んだ事があります。実際その時、疲れがいっぺんに吹っ飛びました!これに味を占めて、もっと安上がりな方法を考えました。それは、カフェインの錠剤を購入して、これをかじる事です。しばらくそういう状況が続いたのですけれど、よくよく考えますと、交感神経が興奮する状況と言うのはいわば「ブースター」が働いている状況で、これは「危険回避のために一時的に体に負担を与えている」様な状態です。従いまして、やれ疲れたからと言って、本来は体を休めるための時間を、それが惜しいからと言って毎度毎度カフェインの錠剤をかじる様な生活は、これは本末転倒で体に悪いことが明らかです。因みにカフェインの錠剤をかじる代わりにコーヒーをがぶ飲みしても同じ効果が得られますが、コーヒーそのものにはカフェイン以外にも様々な物質が含まれていますので、それらの物質による作用も生じます。悪い例では胃が荒れたりしますが、良い例としては、肝臓ガンなどに対する抑制効果などが最近報告されています。いずれにしましても、カフェインの錠剤をかじって疲労に対処しようとする様な考え方は「覚醒剤の使用」を連想させます。心臓にも負担をかけ続ける形となりますので、目の前にある仕事をとにかくやっつけなくてはならない時には有効でしょうが、長期的には体に悪影響を与えるかと思われます。

カフェインの錠剤をかじる事の次にセンセがやった事は、「食事後の時間を活用する」と言う事です。「食事の後に横になると牛になる」などと言う言い伝えがありますが、食事の後は横になる方が寧ろ自然だと思います。食事後は消化のために血流が胃腸に集中しますので、必然的に脳みそへ行く分が減ります。当時、勉強時間が惜しかったセンセが考えたことは、「食事後の時間を有効に生かせば勉強時間がもっと増えるだろう。とりあえず、食事後もすぐに勉強しよう!」と考えまして、実行に移しました。疲労回復とは少し目的が異なりますが、実は「効率的な時間活用が体にもたらす影響」と言う意味で、どちらも本質的に同じ問題です。で、その結果、たちまち消化不良になりましたので、これはすぐに頓挫(とんざ)してしまいました。それでは、と言うので、晩ご飯の時間を遅くし、食べたらそのまま就寝時間、と言う事を試してみました。これもまた2~3日後にひどい消化不良を引き起こし、結局頓挫。得られた教訓は、「人間の自然な生活リズムを乱してまで効率性を追求する事は、結局は収支に合わない」と言う事でした。

ここまでをまとめますと、

1) エネルギーが有り余っている若い頃とは異なり、年齢が進んで仕事量も増え、責任も重くなってくると、疲労がもたらす影響について真剣に考える必要がある。

2) 自分が求める、或いは周囲から求められる仕事の質と量、すなわち成果の追求と疲労度は比例する。

3) 成果を追求する余り、これが生活リズムに影響する様であれば、これは逆効果となってかえって体から反撃を食らい、結果的に、求める成果が得られない。

4) 疲労感低減に即効性のある薬物に頼る場合、短期的には良いかも知れないが、これに味を占めて長期的に用いると、かえって体に悪影響を及ぼし、最終的には成果の歩留まりが悪くなる可能性が高い。

と言うところでしょうか。

新聞の広告欄、特に経済系の新聞には、ハウツーもの、いわゆるゾッキ本の広告がたくさん載っていますが、その中で「時間の使い方」的なものを良く目にします。曰く、「電車に乗っている時間で英会話を習得しよう!」とか言う類のものです。この手の主張は一見すると合理的に見えますが、毎日満員電車に揺られて通勤されている第一線の皆さんにとっては、これは相当に馬鹿馬鹿しい主張に思えるのでは無いでしょうか?もちろん疲れ知らずのスーパーサラリーマンにとっては実行可能な主張かも知れませんが、大多数のお疲れの皆様方にとっては、席がとれればスヤスヤとお休みして少しでも疲労の軽減~回復に努める方がよろしかろうと思います。「時は金なり」的な、一見すると合理的に見える主張は、多くの場合が人間の生理的な事情を無視した単なる精神論に過ぎない場合が多いです。精神論は長続きしませんし、多くの場合、最終的には体を壊してハイお仕舞い、と言う結果に終わる場合が多いように見受けられます。そのうち色々具体的にお話を致しますね!

で、丁度晩ご飯の時間となりました。晩ご飯の時間を乱してまでブログを書くことは体の収支に合わないと思いますので、とりあえずここで本日の分はお仕舞いと致します。次回からは、疲労低減のために色々奮闘したセンセの経験を書いてみます。結構長いシリーズとなりそうです。 

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このページは、喜源テクノさかき研究室が2012年11月24日 16:10に書いた記事です。

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