お料理のお話:その二

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今日もめちゃくちゃ暑いです。そんな中、今日は午前中から研究室の庭の整備に励みました。

研究室の裏は広い駐車場になっておりまして、ここに柿の木やら杏の木やらザクロの木やらその他その他、果樹の苗木を鉢に植え、少しでも殺風景な雰囲気を改善しようと努めております。アスファルト敷きの駐車場なので直接植えるわけにも行かず、鉢植えにしております。

鉢植えですから所詮大きくはなりませんが、ここ二年ばかりの間、特に柿の木とザクロの木が良く育つ様になりました。これを見てセンセは「うんうん、鉢植えなのにキミ達は良く育って居るのお~、けなげじゃのお~。」等とほざいておりましたが、先日、水をやりながら気づいた事には、これらの木の鉢が動かない!微動だにしない!!すなわち、鉢の底から根が出て、これがアスファルトの隙間から進入し、地面に見事に根付いていたのでござります!!!

研究室の建物は借り物なので、さあ大変!

本日は朝から猛烈な日差しを直接浴びながら、せっかく育った柿の木とザクロの木の根切り作業。何とかザクロの方は救助に成功しましたが、柿の木は根元から切り倒す羽目になってしまいました・・・。果樹の中でも一番育って、秋になると大きな実をつけていた柿の木ですので、大変残念です・・・。渋柿だったけど・・・。

おかげで本日は昼頃には既にバテバテ・・・フラフラして熱射病気味になってしまいました。冷蔵庫の缶ビールを冷凍庫に突っ込んでからシャワーを浴び、体を拭く間もなくビールを取り出して一気飲み。インスタントラーメンを啜りながらさらにもう一本!ホント、センセの今年の夏の家計は、ビールのエンゲル係数が急上昇しております。

で、何のお話でしたっけね?

あ、そうそう、昨日の続きでしたね。

インスタントラーメンを啜りながらビールを飲むお話をした直後にヘルシーな特製野菜シチューのお話をするのも何とも微妙な気も致しますが、ま、そこはその~~~・・・。

態度を改めまして、ここからはまじめにお話致します。以下に、レシピの順番に従って、各食材の機能性についてお話して行きます。

1) キャベツ:キャベツと言えばキャベジン=ビタミンUで、これには胃潰瘍などの修復効果が認められています。加えてビタミンCも豊富です。しかしながら両者とも熱に弱いので、特製野菜シチューからの摂取は余り期待出来ません。代わりにイソチオサイアネート(イソチオシアネートとも言う)物質が豊富なので、発がん抑制効果が期待出来る食材です。

2) ブロッコリー:ブロッコリーはキャベツと同じ仲間です。この仲間には、花キャベツ(カリフラワー)やアブラナ(菜の花)などが含まれます。キャベツの項で述べたイソチオサイアネートが特に豊富なのがブロッコリーです。

3) シーチキンの缶詰:ほぐしたマグロの身+植物油と言う構成ですので、魚類タンパク、魚油系のオメガ3系(n3系とも言う)脂肪酸、植物油由来のオメガ6系脂肪酸、加えて多少のビタミンE、と言う内容で良いかと思います。

4) ホールコーンの缶詰:これは基本的には食感を良くする為に入れているので、たいした機能性は期待しておりません。敢えて言えば、ベータカロテン(トウモロコシの黄色)と言うところでしょうか。

5) カットトマトの缶詰:これはリコペン!リコペンは熱にも強く、イソチオサイアネートと同じように、発がん抑制効果が報告されている物質です。

6) おろしニンニク:ニンニク成分としては、アリシンが有名です。これはチアミン(ビタミンB1)の働きを助ける物質ですので、体内のエネルギー産生に大いに効果があります。センセの場合、本当に疲れた時には豚肉ロースの「トンテキ」にたっぷりとニンニクを乗せてガツガツ食らいつきます。翌日は、もうビンビン!・・・体がです・・・。ニンニクには、アリシンの他にも抗がん作用を持つ物質の存在が報告され、疫学的にも、ニンニクの消費が多い地域ほど大腸癌が少なくなる傾向があると言われています。

7) カレー粉:これはターメリック。いわゆる「ウコンのちから」ですね!肝臓の機能強化の他にも、強力な抗酸化能が期待されます。

8) 顆粒状のブイヨン:これは単なる味付けですので、余り機能性は期待出来ません。入れなくても良いです。その場合、シチューの味は薄味系になります。お好みです。

9) 一味唐辛子:カプサイシン。脂肪の燃焼作用、体内エネルギー産生。従いまして、ダイエット効果!

10) 粗挽き胡椒:ピペリン。殺菌作用を持つそうです。香辛料ですので、これは効能期待と言うよりも、食塩を使わないレシピに必須、と言うカンジ。

11) エゴマ油:エゴマ油はゴマ油ではありませぬ!全く違う物質です。エゴマって、「しそ」の仲間です。しその実に相当するモノから絞った油がエゴマ油。これは、いわゆるオメガ3系の脂肪酸、特にアルファーリノレン酸が豊富です。植物油には色々な種類がありますが、これらをバランス良く摂るのが健康には良いのです。アルファーリノレン酸を豊富に含む食材は他には余り見あたらないので、エゴマ油を上手く利用するのが賢いと思います。ちょと高いですけどね!

12) オリーブオイル:オリーブオイルはオレイン酸が豊富。オレイン酸も不飽和脂肪酸の一種ですが、二重結合(難しいですね!)を一個しか持っていないので、酸化しづらい脂肪酸と考えられています。

13) ひまわり油:これはリノール酸リッチな油です。リノール酸は、いわゆるオメガ6系の植物油。昔、植物油が体によいと喧伝された時代、リノール酸のみが多く消費された事がありました。その後、リノール酸に代表されるオメガ6系脂肪酸のみを使用しているとアレルギー体質になりやすいなど、色々問題点が指摘される様になりましたので、今ではこれまで述べてきたような、多くの種類の脂肪酸を摂取する事が推奨されております。従いまして、センセの特製野菜シチューには多くの種類の植物油が使用されておりますので、その点大変優れた構成となっております。

ここで一つ、植物油に関して、余り知られていないお話を致します。不飽和脂肪酸が豊富な植物油は酸化されやすいと思われています。確かに理論的にはその通りなのですが、これは純度が相当高い場合のお話で、食用に使われる植物油は大体がそのまま絞り込んだものですので色々な不純物が混じています。その中にはビタミンEの様な抗酸化ビタミンも混ざっておりますので、そう易々と酸化される様なものではありません。すなわち、自然界で不飽和脂肪酸を産生~蓄積する植物は、自分達が使う脂肪酸が酸化されては困るので、同時にビタミンEの様な油性の抗酸化物質も産生~保有しているのが普通です。99%ぐらいまで純度を高めた不飽和脂肪酸を酸化実験に供して初めて酸化される、されない、と言うお話ですので、普通に台所に保管しておく分には、自然酸化など全く気にする必要は無いと思います。このお話は、センセ自ら色々実験して得られた結果から申しております。

さて、以上は特製野菜シチューのお話でした。

以下は、特製ヘルシードリンクのお話です。

1) 大豆麹乳酸菌発酵液の乾燥粉末:これは機能性乳酸菌が豊富!スプーン一杯=2g 程度と換算して、ざっと1千億個の乳酸菌!!!ヨーグルト約10 リットル分に相当します。大豆麹乳酸菌発酵液の乾燥粉末は市販されておりませんので、これはセンセの役得でござります・・・。大豆麹乳酸菌発酵液のその他の機能性物質に就きましては、過去のブログ記事をごらんになってください。

2) ココア:カカオポリフェノールが有名。抗酸化能が強力です。その他にも色々な機能性が報告されています。

3) 牛乳:タンパク質、カルシウム、その他の栄養素も豊富で、栄養バランスに優れた食材です。一頃「牛乳悪玉説」が広まりましたが、間違っていると思います。それは、アメリカ人の様に、なんでもかんでもがぶ飲みにする人々の間に生じた結果から生まれた誤解かと思います。終戦から高度成長期に掛けて、日本人の健康~体力増強に大きく貢献して来たのが牛乳です。何でもそうですけど、適度な摂取量が必ずあります。牛乳の誤解は、「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言うことです。一方で、乳酸菌の摂取量は未だ適正値に満たない、と個人的には考えています。

さて、一気呵成に書き上げてきました。しかも大まじめに!たまにはいいですよね!

外は大気の状態が不安定で、先ほどから雷~集中豪雨となっています。庭の手入れをした後に、せっかく丁寧に水やりをしてあげたのですけど、結果的には大雨!

けれどもこれでめげてはいけませぬ。大雨が来るか来ないかは分かりませぬ。来るだろう、と思って水やりを怠り、実際に来なければ萎れてお仕舞いとなります。来る可能性は高いけど、万一来ない場合の結果は悲惨だからともかくやっておく、と言うのが正解です。結局大雨となっても、がっかりする必要はありませぬ。単純な水やりのお話ですけど、含蓄には大きなものがあると思います。

ではまた次の祝日まで!

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この記事について

このページは、喜源テクノさかき研究室が2012年8月17日 16:20に書いた記事です。

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