バイオジェニックスについて-5
乳酸菌は死んでいても生きていてもどちらでも良いけど、健康増進のためにはある程度の数を取らなくては駄目だと述べてきました。それではどのぐらいの数の乳酸菌を摂るべきなのか?まず第一に、「健康増進」とはなんぞや、と言う難しい問題があります。当たり前のようで居て、実はこれを定義づけるのは難しい。
そこで、ある疾病に対して乳酸菌を投与し、その結果その疾病に対して効果があるかどうか、で調べたりします。その結果ある疾病の治癒、或いは症状の改善に効果があったとき、そのときの最小量が実際に摂るべき乳酸菌数をおおよそ代表する、と考える訳です。けれどもこの場合は、その疾病に対する必要最小量ですから、他の疾病の場合は異なる量を飲む必要があるかも知れません。それ以前に、そもそも乳酸菌を人に飲ませて効果を判定する試験の数が圧倒的に少ないので、実のところ、現段階では必要な量がどのくらいなのか、本当のところは分からないのが現状です。
ではこの問題に関してはお手上げで、適当なことを言っていれば良いのか?
やっぱり乳酸菌はヨーグルトのようにデザートとして食べていれば良いだけなのか?
この問題に関してある程度しっかりとした目安を作り出すためには、動物実験が有効だと思います。
そこで、テクノさかき研究室で行ってきた動物実験から得られたデータを元に、乳酸菌の有効摂取量の概算を決定する試みを行ってみたいと思います。
気をつけていただきたいのは、これはあくまでもマウスやラットを用いた実験結果であり、また、強力な発がん物質その他を用いて強制的に疾病を作り出した実験の結果であるので、これらのデータをそのまま人に当てはめるのは危険である、と言う認識を持っていただきたい点です。
しかしながら、動物実験だから無意味であるというのもまた極端な意見で、動物実験なしでいきなり人に適用するのは、いわば「人体実験」も同然である訳で、要するに、動物実験の限界をはっきりと認識してもらえれば、動物実験の意義は必然的に導けるであろうと考えます。
現段階ではそれ以前に、乳酸菌の摂取がある種の疾病の改善に効果があることが分かったとしても、いわゆるトクホは除いて、それ以外は法律上、それをうたい文句にして乳酸菌を販売することは禁じられています。
それでは実験結果など、この続きは、「ちょっと研究内容 その二」以降で、お話しして行きたいと思います。
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