中山博士の横顔 その二 石垣島の思い出
センセが石垣島に居たのは、満で2歳まででした。
でも、いくつかの思い出があります。
ある時、センセは生家でお昼寝をしておりました。
ふとオシッコがしたくなって、お便所に行きました。
しかし、お便所の戸を開けると、中から白い幽霊が何人も現れました。
センセはびっくりして、ちびっ子ギャングのアルファルファの様に髪の毛を逆立て、
慌てて廊下から庭に逃げようとして靴を履こうとするのですが、
黄色のチョウチョがついた青いゴムの靴がなかなかうまく履けず、
あせるばかり!
ようやく履いて庭に逃げると、センセのお母さんが庭で洗濯をしておりました。
木のたらいと洗濯板を使って、せっせと洗濯をしておりました。
それを見て、センセはとっても安心して、幽霊のことは忘れてしまいました。
・・・たぶん、夢を見ていたのでしょうね。でも、黄色のチョウチョがついた青いゴムの靴の思い出は、
今でも鮮明に覚えています。
また、この頃着ていたお気に入りの、黒地の和服のこともはっきりと覚えています。
上の夢の物語は、なんか、坪田譲治の童話の一節の様で、センセのお気に入りの思い出です。
もう一つ、石垣島時代の思い出があります。
センセが東京に来たときは、センセが2歳の時でした。
家族で東京に出る前、最後の思い出とばかりに、一家そろってハイヤーを借り、石垣島を一周しました。
そのときのことをセンセはようく覚えています。
風が猛烈に強い日で、あの当時の道は舗装などされていないものですから砂埃が舞い上がり、時々目の中にも砂が進入してきました。
センセは子供心に、
「何でこんな砂埃の強い日に観光旅行なんかしなくてはならないのだ!全く大人は常識に欠けているなあ!」
と憤っていたことを、大変鮮明に覚えています。
後々、家族兄弟にこのことを話すと、
「それは写真があるからそれで覚えているつもりになってるだけさ。」
と言われるのですが、
残念ながら、さすがの写真も、風まで撮すことは出来ません。
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