今月の書評-41
と、いうことから、ザザッと計算すると、アイヌのご先祖さまと縄文人のご先祖さまが大陸で分かれたのちに再び北海道で会合するまでに要した時間はおよそ一万年くらい、と見積もられます。
で、途中まで一緒でしたので、ザザッと言って、縄文語とアイヌ語は同類の言葉、とも言えます。
でも、一万年て、長いですよね!100 世紀ですよ、100 世紀!!!
100 世紀の間に言葉はどのくらい変化するのか、本当のところは誰にも分かりませんが、言語学における最新の説は以下のようなカンジです。
世界中の言語の中で最も研究が進んでいるのが、いわゆるインド・ヨーロッパ系の言語です。そして、皆さんご承知のように、インドのアーリア語とドイツ語やイタリア語などの欧州の言語とは同源である、と認められています。
で、これらの言葉はいつ頃分かれたのか、という疑問が生じますが、現在、大別して二つの説があります。
一つは「クルガン説」で、これは主に考古学的証拠に基づいた説です。すなわち、クルガンと呼ばれる騎馬民族集団が今からおよそ6000 年前に中央アジアに住んでおり、勢力の拡張に伴って彼らの言語がインド・ヨーロッパに広がった、というものです。
もう一つは「アナトリア説」と呼ばれるもので、これは最新の統計学的手法を用いて言語学的観点から述べられた説です。すなわち、現在のトルコの地であるアナトリア半島に今からおよそ8000~一万年前に住んでいた連中の言語が農業技術の広がりに伴って欧州全体に拡大した、というものです。
ま、どちらが正しいのか、論争は継続中かと思われますが、いずれにしましても、一万年より古くはならないようです。
であるならば、アイヌ語と縄文語は英語とヒンディー語、小さく見積もった場合でも英語とイタリア語程度の違いは生じていただろう、と考えても大きく外しはしないかと思います。
さて、ちょいとお話変わって、実際のアイヌ語をここで少しご紹介したいと思います。YouTube をサーフィンしていたら、心に残るアイヌの子守歌がうp されてました。「60のゆりかご」という題名です。アニメも素晴らしいので、ぜひお聴きになってください!
この歌から、カント→空、チセ→家、ポンペ→赤ん坊、ペッ→川を意味することがわかりますね。
ポンペ、って可愛い響きですね www!いかにも「赤ん坊」っていうカンジです。
また、シロカネ、コンカネはそれぞれ白金(銀)、黄金でしょうから、日本語から入ってきた言葉であることも分かります。
アイヌ語で「神」を意味する有名な言葉、「カムイ」ですが、これが神から借用された言葉なのか独自のものなのか、あるいは同源なのか、これも論争があるようです。
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