昭和40年代:時代と音楽-9

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さてボブ・ディラン、センセの呼びかけに答えてようやくお返事した。
きっと彼も陰に隠れてこのブログを読んでいるのでしょうね!

「ビックリしてしばらく言葉を失っていたんだ・・・。」
なんて言い訳してますが、たぶん、お友達からいろいろ言われて態度を変えただけだと思います。
で、ようやく表に出てきた彼に対して、「よかった~」と思うファンと、「なんだよ、がっかり・・・。」と思うファンと、両方いると思います。

でも、授賞式にホントに出席しますかね?気まぐれなヒトだから、まだまだ予断を許さないカンジがします。もしかすると、「出るつもりだったけど、猫のキャサリンが風邪をひいたので出られなくなった。グスタフ国王にはよろしく!」ぐらいは言いそうな気がします。そんで、「あ、とりあえず、俺の口座番号は伝えとくから・・・。ええ~っと、バンカメのNY支店の***ね!じゃ、よろしく!」とか・・・・。



・・・・・さて、本日は、黒人音楽についてお話したいと思います。

黒人達による音楽、一括してブラックミュージックとしますが、現代の洋楽系の軽音楽の世界で彼らの影響を全く受けていない分野を見つけるのは大変困難です。純粋なカントリーソングと初期のフォークぐらいでしょうか?それ以外はおしなべて、多かれ少なかれ、ブラックミュージックの影響を受けているのが現状です。

加えて興味深いのが、この影響が一方通行だということです。

白人プレーヤーの曲をカバーしたり、あるいは白人聴衆を取り込むための「白化現象」は時々見られますが、黒人音楽の本質に影響を与えた白人アーチストって、誰かいる?
少なくともセンセは知りません。

で、ことほど左様に影響力の強いブラックミュージックですので、これを抜きにしてこの時代の音楽シーンを語ることはできませんし、加えてセンセがブラックミュージックが大好きなもんだから「それでは行きがけの駄賃に語ってみようか」と思ったのですが、よくよく考えると新たな地雷原に足を踏み入れる気もします・・・。何しろ極めて広大、かつ奥深い分野ですので・・・。
でもブログのタイトルが「昭和40年代:時代と音楽」ですので、これに沿ってお話すれば迷宮に入り込むこともないかな?という気もします・・・。

四の五の言わずにやっつけます!

1962~63年当時、すなわちビートルズやボブ・ディランが登場した頃、米国国内では、キング牧師らが中心となった黒人公民権運動が盛んでした。そして彼らの運動を支えていたのが、白人のジョーン・バエズやPPMらの初期のフォークシンガー達でした。興味深いことに、この黒人公民権運動にフォークシンガーらと同じようなレベルで影響力を与えていた黒人音楽家を、センセは寡聞にして知りません。わずかにサム・クックぐらいですかね?
もちろんこれらフォークシンガーらが歌っていたあの有名な曲、「勝利を我等に:We Shall Overcome」は元々ゴスペルソングですし、サム・クックはボブ・ディランに触発されて「A Change Is Gonna Come」を歌ってますので、ブラックミュージックが運動に全く関与しなかったわけではありませんが、ともかくも、ジョーン・バエズに相当するようなタイプのブラックミュージシャンって、見いだせません。


ことによるとここら辺の事情って、マイケル・シュルツ監督の1976年の映画「Car Wash」の中で、黒人解放のために革命を起こすんだ!と本気で考えてる「彼」に対し、その他の洗車場の仲間たちはそんなこと全く気にもかけず、明日の「ダンスコンテスト」のための振り付けに夢中になっている、っていうような雰囲気が、当時の現実を表すものなのかもしれません。

じゃ、黒人音楽って、政治や社会に対して全く関与せず、ひたすら商業的~あるいはジャズのように「高踏的」だったのかというとそうではなく、70年頃からの「ブラックパワー」の時代には、テンプテーションズの「Papa Was A Rolling Stone」などのような曲が多く出てきます。ブラックパワーの時代は、ウッドストックの後にやってきます。

では62~63年頃のブラックミュージックシーンはどうだったのか?
と、いきなり突っ込んでいきたいのですが、その前に、一口に「ブラックミュージック」といっても、米国だけでもジャズにブルースにゴスペルにR&B、R&Bだけでもざっくり分けてアトランティック系とモータウン系、南アメリカにはマンボのようなキューバ~カリブ系音楽、ブラジルにはサンバ、そしてジャズとサンバが融合してできたボサノヴァ、さらにメキシコのヒスパニック系音楽など、これらがすべてさまざまな形で米国のポップ音楽シーンに影響を及ぼしますので、ああ~~~やっぱり地雷を踏んでしまったようだワ~~~~・・・(頭を抱えるセンセ)。


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このページは、喜源テクノさかき研究室が2016年10月30日 14:17に書いた記事です。

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