今月のウクライナ-174

アマゾンの密林地帯、
ベネズエラとブラジルにまたがる領域に住む、
荒っぽい生活で有名なヤノマミ族の写真を載せます。

ヤノマミの子供たち.jpgヤノマミ族の子供たち  ウイキより
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1602664による
顔に刺してある爪楊枝とか竹ひごを引っこ抜いたら、
単なる日本の小学生に見えます WWW。
まだカワイイけれど、
そのうち荒っぽくなります。


ヤノマミインディアンは、
「戦争はヒトの本能に由来するのか否か?」的な論争において
文化人類学からの証拠として常に引き合いに出される部族ですが、
ここではこの問題には立ち入らず、
単に表面的な形質のみに関してお話したいと思います。

今月のウクライナ-100」で取り上げたケット人ですが、
ウイキによれば、Q の割合が 93.7% とのことです。
写真は 1913 年に撮られたものらしいですが、
「スカーフを脱いだ、あまりお風呂に入らない普通のロシア農民」
と言っても納得してしまう写真です。
で、「今月のウクライナ-168」で述べたように、
スー族やらシャイアン族やらの草原インディアンの顔立ちは
鼻っ柱の高いワシ鼻が多く、蒙古皺襞もほとんど見られないことから、
Q の由来も考慮に入れて、
Q は本来的には白人種的な人々であったのでは?」と考えましたが、
フェゴ島先住民やアマゾン部族の顔立ちを見る限り、
白人種的形質はほとんど見当たりません。

ならばケット人はどうなのか?
Q9 割以上もあるにもかかわらず、なぜ白人的顔立ちなのか?
ということですが、
最も可能性が高いのは、
ケットのオトコがロシアのオンナを女房とした、ということです※。
※ウイキではないところのケットの写真は白人の度合いが少ない。
ということは、ウイキの写真はたまたま白人種との混交が強いものを載せた、
という可能性も大です。
ウイキでないところの写真をここに載せて良いのか、少し調べてみます。

この場合のオトコ、オンナは、あくまで、
XY 染色体による性決定メカニズムに基づいて定義される概念、
であることにご注意ください。
あ~めんどくさい。
YDNA の仕組みに関してはすでに何度もお話しましたので、
ご自身でおさらいして下され。

で、近世におけるロシア人(コサックを含む)の東方拡大政策の中で
シベリアの少数民族の一つに過ぎないケット人が
ロシア人と混血する状況を考えると、
センセは、
Q が薄まる方向で混血が進むであろうと考えたので、
非常に高い Q の割合を持つケット人が白人的顔立ちを有する理由は、
P から派生した QR の片割れが欧州人となったということもあり、
さらには草原インディアンの顔立ちも
単なる東北アジア人とは大きく異なることもありというわけで、
Q は、基本的には、白人種的であったのではなかろうか?
と考えたわけであります。

けれども Q そのものである南米インディオの形質を見る限り、
当初のセンセの考えは間違っていたと言わざるを得ません。

で、遼河地方からえっちらおっちらやってきたフィンランドの連中もまた
高い N を維持したまま
「昔から白人種でした」みたいな顔をして澄ましているところをみると、
ケット人は、現在では極めて少数派とはなってしまっているけど、
過去においては、
部族としてのアイデンティティを維持するだけのプライドが強かった、
生活力も強かった、
ケンカも強かった、
などと想像もされます。

また、言語学的にも、
彼らの言葉と草原インディアンの言葉との間には関係性が認められる
とのことです。

一方で、ウイキによれば、
ケット人の mtDNA には東南アジア由来のものが 3 割弱ある、
とのことなので、
一体どのような素性を持つ部族なのか、
ナカナカ頭が痛くなる連中ではあります。