長年にわたって紛争を繰り返してきたナゴルノカラバフ地方ですが、
アルメニア人のほぼほぼ全てが一夜にして脱出してしまい、
「あっ!」と言う間もなく文字通り消滅してしまいました!
四方を海に囲まれ、2000 年にわたって万世一系の皇統を頂く日本人からすれば、
大陸の連中、特にコーカサスやバルカンの人々の安全保障に関する感覚は
全く持って想像できないものであるかと思います。
アルメニアは古い国で、アルメニア人は印欧系の人々です。
「今月のウクライナ」シリーズでも、これまで、
折に触れてポツリポツリ登場してます。
現在ではコーカサスの一部に限局されてしまいましたが、
紀元前後にはカスピ海から地中海を結ぶ地域を一時的に支配したこともあり、
また、西暦 301 年には世界で初めてキリスト教を国教とするなど、
ナカナカ存在感のある国です。
TV の画像でナゴルノカラバフから逃げてきたアルメニアの人々が
十字を切って祈っていたのが印象的でした。
第一次世界大戦時のトルコとの紛争で多くの死者を出したことから、
「虐殺だ!」「いや、虐殺ではない!」との争いが現在も続くなど、
トルコとは歴史的にも仲が悪いです。
対するアゼルバイジャン人はトルコ系の連中で、イスラム教徒です。
特にトルコ共和国のトルコ人と同じくオグズ系の連中で、
オグズに関しては「今月のウクライナ-105」あたりで簡単にお話しました。
イスラムのお話が終わったら、
オグズ、トルクメン、セルジューク、オスマンなどなど、
より詳しく「トルコとはなんだ!」を解説する予定です。
同じトルコ系ということで、
アルメニアとの紛争ではいつもトルコが後ろ盾となります。
で、ナゴルノカラバフは消滅したものの、
アゼルバイジャンの分断はそのまま残っているので、
これがまた新たな紛争の種となりはしないか、心配なところがあります。
コーカサスの民族と言語 ウイキより
地図上のナゴルノカラバフ地域は、現在、もはや緑色ではありませぬ・・・。
LyijykyyneleetCaucasus-ethnic_en.svg
User:Pmx - Caucasus-ethnic_en.svg, CC 表示 3.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5609026による
コメント