今月のウクライナ-231

本日早朝、
イスラエルとハマスが停戦に合意した、とのニュースが飛び込んで来ました。
停戦は三段階にわたって行われる予定で、
第一段階は 19 日に発効され、
6 週間続くとのことです。
これが上手くいけば、
現在ガザ地区の人口密集地に居るイスラエル軍は撤退し、
大量の緊急援助物資が運び込まれ、
ハマスに捉えられている人質のうち 33 人が解放されると同時に、
イスラエル側に収監されているパレスチナ受刑者数百人が解放される、
とのことです。
その後に第二~第三の停戦期間が発効される予定で、
最終的には人質全員が解放される段取りとなっています。

約束が守られれば、の条件付きですが・・・。

で、合意が発表された本日、早くもイスラエルの爆撃があり、
71 名が死亡した、との情報も流れてきました。

もちろん発効前ですから戦闘は未だ続いているわけですが、
ポツダム宣言を受け入れた後も日本全土の都市を空襲し続けた米軍を
想起してしまいます・・・。
いわんや 8 月 15 日以降も戦闘を拡大したソ連軍をや・・・。

で、現在飢餓に直面しているガザ地区住民にとっては
取りあえずは歓迎すべき決定ではありますが、
果たして両者、
このまますんなりと完全なる終戦にまで進んでいくのでしょうかね?
ま、第三者的には傍観していくしか仕方がないわけではありますが、
そもそも論として、
一体全体、ハマスは何をしたかったのでしょうかね?

人質数十人を解放することによって
パレスチナ受刑者数百人が解放されるのですから
これはお得な DEAL だ!
とでも思っているのでしょうかね?
その数百人を解放するために、
これまでに 4 万 6 千人のパレスチナ住民が死亡しました。
ハマスはこんな簡単な算数も出来ないのでしょうか?

この 4 万 6 千人という数はハンパじゃないです!
ざっと、ウクライナ軍が発表した自国の兵の死亡数に匹敵する数値です!
今現在センセが読んでいるノモンハン関連の本が指摘する
日本軍とソ連軍を合わせた戦死者総数よりも圧倒的に多いのです!

イスラエルより開放されるパレスチナ人受刑者の中には
ハマスに関連する連中もいるでしょうから、
穿った見方をすれば、結局、
少数の自分たちの仲間を解放するために、
数万人にものぼる「自国民」を人身御供として捧げた、
ということになります。

これに加えて「自国」はテッテ的に破壊され尽くし、
復興には数年はかかるでしょうし、
あるいはそもそも復興するのかが疑問ですし、
復興するとしたら誰が金をだすのか、それも疑問です。

ネタニヤフとお友達で、
かつアメリカ・ファーストのトランプが
パレスチナの復興費用を気前よく出すとは思えない・・・。
国連が乏しい町内会費から出すのでしょうかね?
肝心のイスラエルが出すのでしょうかね?
自分たちが破壊したから自分たちが出すのが筋だとは思うのですが、
もちろんネタニヤフの論理は異なります。

いずれにしましても、
この戦争の発端となったハマスの意図が皆目分かりません。
結局のところ、
これまで溜まりに溜まっていた「イスラエル憎し!」の感情が
はけ口を求めて一気に噴き出した、
あるいは
今月のウクライナ-216」でご紹介したシンワル氏や、
レバノン・ヒズボラの指導者や、
彼らの背後で糸を引いているイランの指導者らの思惑につられて
武闘派~強硬派が暴発した、
あるいは
「イスラエルの非人道的な振る舞いを白日の下に晒す意図があった」
などという説も一部ではあるようですが、
それは結果論と言うものです。

加えて、今後、ハマスが存続するのかどうかも分かりません。
パレスチナの住民が未来永劫にイスラエルを憎悪するのは理解できますが、
このような状況に自らが置かれる原因を作ったハマスという組織に対しては
彼らは本当のところはどのように思っているのでしょうかね?
今後も支持していくのでしょうかね?

憎しみの連鎖は、未来永劫に続いていくのでしょうかね?
それが「神のみこころ」なのでしょうかね?

「神」って、自分たちで作った概念なんですけどね WWWWWWWWW。