今月のウクライナ-76

「ポーランドにロシアのミサイルが着弾!死者 2 名!」との報を聞き、
「オイオイ、ホントかよ・・・。」と誰しも思われたかと思いますが、
ほどなくバイデンが「ロシアから撃たれた可能性は低い」との発言。
で、破片などからミサイルそのものは確かにロシア製。
ということで、現時点での推測は、
「雨あられと降り注ぐロシアからのミサイルに対して
ウクライナが撃った迎撃ミサイルが間違ってポーランドに着弾した。」
というものです。
たぶん、そうだと思います。

で、ゼレンスキー大統領はムキになって否定してますが、
それに対してネットではゼレンスキーに対しての否定的意見も飛び交ってます。
けれども、個人的には、
初期段階におけるゼレンスキーのこの態度は当然のことだと思います。
迎撃担当の責任者もまた、ミスを自覚していたかいなかったか、
これも現時点では何とも言えないところです。
より詳細な調査の結果を待つしかありません。
調査の結果ウクライナ側のミスであったことが判明した時点においても
なおかつゼレンスキーが否定を続けるようであれば
彼への評価は低下するかと思いますが、
個人的には、この手のミスは戦時には結構な確率で発生することですので、
ミスを認めて謝罪するにはなんの痛痒もない、と考えますが・・・。

むしろバイデンの客観的~公正な態度が光ります。
ことによると、プーチンはこれによって幾分軟化する可能性もあるかと・・・。


さて、フン族の侵入によって引き起こされたゲルマンの大移動ですが、
これがために西ローマ帝国が滅んでしまうまでをお話しました。
で、滅んだと言ってもある意味事態は逆で、
滅んだはずのローマによって逆に野蛮人が文明化したようだ、
というお話の続きです。

現在の欧州のほぼ全域にかけて林立したゲルマン諸王国ですが、
中でも台頭著しかったのが、ご存知フランク王国です。
その他、フランス南部からスペインにかけては西ゴート王国が、
北アフリカのカルタゴにはヴァンダル王国が、
イタリア半島には東ゴート王国が、
北イタリアにはランゴバルド王国が、
フランス中南部からスイスにかけてはブルグント王国が、
イギリスにはアングロ・サクソンの連中が、
その西からはゲール(ケルト)の連中が、という調子。
一方で、バルカン半島からアナトリア一帯にかけては
東ローマ帝国が厳然としてその権威を維持しておりました。

526年の欧州.jpg西暦 526 年の欧州の状況  ウイキより
赤=東ゴート、緑=東ローマ帝国、水色=ヴァンダル、薄桃=西ゴート、
草色=フランク、茶色=ブルグント、などなど・・・。
このころスラブの連中も、そろそろと拡張していきます。

で、これからしばらくの間、これらの王国(全てゲルマン系です)が
合従連衡を繰り返しながら潰しあっていく時代となるのですが、
これを見ていくと、
「あ、なあ~るほど、ここに欧州世界の原型があるのだな~」
と分かってきます。
もちろんヒトによって違うと思いますが、
中学~高校の世界史で、センセなんぞは
「ゲルマン民族の大移動までは面白いんだが、
その後の欧州の歴史、特に中世って退屈なんだよなあ~」
と思っていたのですが、改めて勉強しなおすと、
欧州の特徴の基礎の基礎が分かってきます。
「なんでこんなにキリスト教?」とか、
「フランスってゲルマン?ラテン?」とか、
「神聖ローマ帝国って、いったいなんだよ?」とか、
「なんで欧州の王族って親戚どうしが多いの?」とか、
「A 国の王が B 国の王として迎えられるって、どういうこと?」とか、
「親戚どうしの王国どうしで戦争ばっかするのはなぜ?」とか・・・。

ま、あまり深入りしないで簡単に流してお話していきますがね!