今月のウクライナ-73

今夜は月食。
ここ坂城は周囲を山で囲まれてますので、
お月さまが東の山から登ってきたのは 6 時ちょい前くらい。
まん丸の名月ですが、6 時過ぎから段々と欠け始め、
今現在完全に隠れてます。
でも、うっすらと形が分かりますけどね。
センセのアパートの二階の窓から良く見えます。

10 年ちょいくらい前には皆既日食もありました。
その時は研究所の二階のベランダから助手の腰原クンと一緒に見てました。
透明プラスチックをマジックで黒く塗りつぶして観察してました。※
懐かしいですね。
※これ、目の保護には不十分ですのでマネしないこと!

ウクライナですが、再び膠着状態に陥っているように見えます。
相変わらずのロケットによる首都キエフの発電工場への攻撃が続くと同時に、
相変わらずのロシア軍のおまぬけぶりも目立ってます。
南部へルソン市はもぬけの殻なのか、あるいは偽情報を流しているのか、
ウクライナ軍も疑心暗鬼、といったところです。
厳冬期になって進軍可能となれば、再び激戦が始まるのでしょうか?


さて、ゲルマンの侵入が相次いで西ローマ帝国は崩壊してしまいますが、
実態は「崩壊」というようなカンジではなく、
単に支配者が代わった、というカンジみたいです。
ガリアの地、すなわち現在のフランスですが、
ここにはローマからの移住民も数多く住んでおりました。
ゲルマンの連中も当初は略奪三昧の野蛮人だったのでしょうが、
圧倒的に進んでいたローマ文化に触れ、徐々にお行儀よくなっていき、
言葉も変化していきます。
ゲルマン前にはここにはケルト人が住んでいたわけですが、
彼らはすでにローマ化しており、
ガロ・ローマ文化という折衷文化がこの地に存在しておりました。
ガリアの地にはフランク王国が、スペインでは西ゴート王国が、
カルタゴにはヴァンダル王国が、
という具合に各地にゲルマン系の王国が林立しますが、
遅かれ早かれみなローマ化していきます。
ここのところの事情は、中国に侵入して時の王朝を倒した蛮族の連中が
たちまち中国化してしまったのと同じ事情のように思えます。

このように影響力の強かったローマ文明ですが、
その影響力の最たるものが、キリスト教です。

キリストさんがパレスチナの地で布教活動を始めたころはローマに弾圧され、
磔(はりつけ)にされてしまうわけですが、
3 日後にめでたく復活するのは皆さまよくご存じのことかと思います。
これを祝うのが復活祭で、ハロウィンじゃなくてイースターの方です。
日本人は宗教に関係なく面白そうなものはなんでも取り入れてしまいますので、
そのうち鶏卵業に携わる方々が火をつけ、土用の丑の日じゃありませんが、
復活祭には恋人にゆで卵を 1 ダース送ろう!」とか言い出す可能性もあり、
街に繰り出して大騒ぎする連中も出てくるかもしれませんが、
くれぐれも狭い路地には行かないでくださいよ、ホント・・・。

で、あの享楽的な古代ローマ人が
なぜ抹香(まっこう)臭いキリスト教なんぞを受け入れたのか、謎ですが、
やはり世界宗教と言われるものにはそれなりの何かがあるのでしょうね。
信仰の前には平等であるとか、自身の良心に恥じる行いをするなかれとか、
あるいは本当の心の平安を得るためにはどうすれば良いのかとか・・・。

確かに、
タイコをどんどこ叩いて夜通し踊りまくったり、
太陽が明日も登ってきますように、と祈って人身御供をたくさん捧げたり、
憎いあん畜生がこの世から居なくなりますように、と祈って
神社の御神木に五寸釘で人形を打ち付けたり、
薬草を噛んでトランスに陥ってニワトリの首に噛り付いたり、
この手の「宗教」とは一味も二味も違うのは間違いないところです。

ましてや瀬戸物の壺を数百万で購入すると天国に行けるとか、
その額が多ければ多いほどより素晴らしい天国に行けるとか、
自由恋愛をすると地獄に落ちるとか、
あれやこれやこれやあれやとか・・・。

「これは宗教だ!」とか「これは芸術である!」とか、
言ったものが勝ち、みたいなところがあります。
どこぞの自治体が「ハコ」に 3 億円支払って問題となってますし、
どこぞの美術館では上下逆さまで数十年間も絵画を展示してましたし、
どこぞの展示会では「表現の自由だ!」(あるいは不自由だ!)との名目で
あからさまな誹謗中傷を行ってますし・・・。


ピカソが有名になる前、道端にピカソの絵が落ちてました。
皆さんは、その絵を、拾いますか?
ピカソが有名になる前です。
有名になった後は、その絵には 5 億円の値段が付きました。

ピカソが有名になる前に道端に落ちていたピカソの絵、
皆さんは拾うことができますか?