今月のウクライナ-52

ウクライナ軍、南部に向けて反転攻勢の報あるも、
ロシア軍はこれを撃退、との報もあり、
ザポリージャ原発においてもどちらが攻撃しているのか、
どうにも煮え切らない展開が続く最近のウクライナです。
一方で、ロシア軍。
兵員、武器、弾薬ともに不足する中で、
「ボストーク 2022」と銘打って 9 月に極東で軍事演習する予定ですが、
いったい余裕があるのかないのか・・・。
ホントに何を考えているんだか・・・。

さて、紀元前後の大国の情勢、ということで、今回は中国のお話です。
秦の始皇帝が死んだのち、二代目に反旗を翻したのが
「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」とか、
「王侯将相いずくんぞ種あらんや」とかの句で有名な陳勝。
これが鎮圧されたのちは劉邦と項羽の争いとなります。
皆様もよくご存じのように、
「四面楚歌」とか「虞や虞や汝を如何せん」とかのお話です。
で、秦が滅んだのが紀元前 206 年で、新たに生まれたのが「漢」王朝。
この場合は「前漢」ということです。

で、例の匈奴ともいろいろあるわけですが、
武帝の時代に前漢の勢いは最大となり、
西域諸国とも友好関係を結ぶことによって匈奴を圧迫し、
版図も最大となります。
だいたい紀元前 130~110 年頃です。
李陵や張騫の時代です。

で、歴代の中国王朝史なんてのは毒殺話のオンパレードですので、
中国に限らないけど、こんなのは無視してどんどこ先に行きます。

王莽(おうもう)という典型的な悪役が出てきて漢王朝を乗っ取り、
自分の「新(しん)」王朝を打ち立てるのが紀元後 8 年。
新王朝の存在はだいたい紀元前後の年代の区切りにあたりますので
中国王朝を時系列的に理解するのに助かります。

王莽.jpg中国史の代表的悪役の一人、王莽 ウイキより
せっかくの王朝も一代限り・・・。


で、しばらく比較的良好な関係を築いていた漢と匈奴ですが
王莽は匈奴に対して無意味に厳しく当たった結果、
ここにきて王莽の「新」王朝と激しく対立!
再び侵入~略奪を繰り返すようになります。
また、王莽の政策に反発した西域諸国とも手を結び、
再び匈奴の勢いが増すこととなりました。

内乱の頻発などにより、
紀元後 23 年、「新」王朝は王莽の一代限りで滅んでしまいますが、
匈奴は単に侵入~略奪するだけでなく、
中国の王朝に直接介入するようになった結果、
その後の「五胡十六国」の時代の素地を作ることとなります。

それにしても秦、新、晋、清、ぜんぶ「しん」・・・。
「しん」じられない、と言いたくなりますが、
たぶん、中国語ではそれぞれ発音が違うんだと思いますけど・・・。

英語表記ではどうなっているのでしょうかね?