今月のウクライナ-20

「今週のウクライナ」です。

5 月 1 日
● ロ軍、オデッサ空港攻撃、橋も損壊
● ロ軍、イルカを軍事利用か?セバストポリ港で艦船守る

2 日
● ロ軍参謀総長が標的?司令官ら 200 人死亡


マリウポリの製鉄所から漸く一部の民間人が脱出できましたが、
未だ多くが留まっているとのことで、心配です。
また、プーチンは 5 月 9 日の対ドイツ戦勝記念日に向けて
勝利宣言を発出したいとのことですが、
これまでのところ、「勝利」らしきものは皆無です。
キエフ攻撃を諦めて、部隊の再編制を行ったはずですが、
快進撃とは程遠いロシア軍の現状です。

で、プーチンは勝利宣言を諦めて、
改めて「戦争」の宣言を行うとの観測が出てますが、
「特別軍事作戦」が「戦争」の文言に変わっても
「何をいまさら・・・。」というのが大勢の思うところです。

それにしてもイルカくんまで動員とは凄いですね!
やはり、ウクライナ軍の白襷隊を警戒しているのでしょうね。
ウクライナとしては、ここはシャチ軍団を組織して、
イルカに対抗してもらいたいと思います。
また、ロシア軍の参謀総長が
督戦のために前線の町、イジュームに入りましたが、
それを狙ってウクライナ軍が攻撃をしかけ、
結果、高官を含む 200 名近くが死亡するという報道がありました。
本当だとすると、ウクライナの情報網には凄いものがあります。
恐らく、米国などから提供されているのだと思いますが、
ロシア軍やプー政権内部に通報者がいるのは間違いありません。

それにしても、ロ軍はこのままではジリ貧に陥る可能性があります。
「戦争宣言を行い、新たに動員をかける」との観測がありますが、
予備役兵はまだしも、
20 歳前後の新兵を大量動員しても即戦力とはなりません。
「ロシア兵は畑で収穫される」という言葉があるように
数だけは取り合えず揃うでしょうが、
いっちょ前の兵隊に仕立て上げるまでに時間がかかりますし、
そもそも SNS を始めとするネット情報に詳しい現代の若い連中が
70 年前の「大祖国戦争」とは異なり、
大義無きこの戦争で勇んで戦うことができるのか、大いに疑問です。

さらに加えて、毎日 YouTube で流れる新たな映像からも明らかなように、
この戦いを左右するものは、各種の「精密誘導兵器」です。
米軍がウクライナに 155mm 榴弾砲を供与するとの話を聞いた時、
センセは、「今時、牽引型の 155mm 榴弾砲なんて役に立つのか?」
などと思いましたが、
この砲は、ロシア軍の同等のものより射程も長いだけでなく、
通常砲弾に加えて誘導弾も発射できるようで、
相当に高性能であるようです。

M777.jpg通常弾発射時の米軍 M777 155mm 榴弾砲 ウイキより


で、いろんな種類のドローンやらジャベリンやら、あるいは誘導弾に至るまで、
これらは一つ一つに高性能パソコン(表現がダメダメ)を
搭載しているも同然ですから、
仮にプーチンが大量の軍需品を増産すべく
ロシアの軍需工場にハッパをかけたとしても、
精密兵器の中核をなす部品の多くは
これまで西側から供給されてきたものですから、
その供給が途絶えた現在、ロシアが製造できるものは
昔ながらの大砲~砲弾とならざるを得ません。

一部、中国が融通してくれるかも知れませんが・・・。

で、その結果、即席に仕立て上げられた多くの新兵たちは
数だけは多い古式野戦砲の通常弾による一斉射撃の後に、
督戦隊の監督下、
マンドリン銃を抱えて「ウラ~~~!」の声と共に勇ましく突進し、
その後は・・・、という展開となるのが見え見えです。

そうなりますと、さしものロシア世論にも変化が生じ、
その後は・・・、という展開となるのが見え見えです。

そうならないためにはどうするか?!

1. 戦術核兵器を使用する
2. 適当なところで講和に持ち込む

のどちらかです。
さて、プーチンは、どちらを選ぶのでしょうか???