今月のウクライナ-19

本日から大型連休ですが、ウクライナはいよいよ泥沼化してまいりました。
以下、「今週のウクライナ」です。

4 月 26 日
● ウクライナの内陸国化を画策か、ロシアがクリミア西方の黒海沿岸狙う
● ロ高官「ウクライナ、多国家に分裂も」 住民投票を画策

27 日
● 兵器供与に消極的だったドイツ、自走式対空砲ゲパルト供与決定
● ロシア、ポーランドとブルガリアへのガス供給停止
● フランスで大規模ネット接続障害、ロシアによる破壊行為か?

28 日
● プーチン核使用を示唆 軍事支援強化の欧米を牽制
● ウクライナ、無人機で越境攻撃か ロシアの補給線狙う


プーチンはいよいよ南部オデッサ攻略に向けて動き始めたようです。

ここで、これまで全く聞いたこともなかった名前が出てきました。
モルドバ共和国の東に張り付くように存在する
沿(えん)ドニエストル共和国です。別名トランスニストリア。

沿ドニエストル.jpgウイキより改変


ロシアがウクライナに進攻を開始した 2 月 24 日、
ビックリしたセンセは、取り合えずネットで色々調べているうち、
大変興味深いブログを見つけました。
TABI-PROG/ヨーロッパ・ロシア旅行記という名前のブログです。
未だ平穏な時期、
ブログ主さんは中欧から東欧、ウクライナにかけて鉄道で旅をし、
多くの美しい写真と共にご当地を色々解説されてます。
是非、ご一読ください。

で、そのブログの中で、センセは初めて
沿ドニエストル共和国なるものを知りました。
ブログによると、住民の多くはロシア贔屓(ひいき)であり、
街中の多くにソ連時代のモニュメントが存在するとのこと。
今週はこの国のいくつかの施設が破壊される事件がありましたが、
ロシア側は、これを、いつものように、ウクライナの仕業としています。
極めて小さな国であり、かつ西側は未承認の国家ですが、
一応 2000 名弱の兵を有する、とのことです。
この兵数が脅威となるのか、
あるいはこれの救出と上記の破壊活動を口実として行動を起こすのか、
ロシアの出方は分かりませんが、
国境を接するモルドバ共和国は、
ウクライナ同様に NATO に属していないこともあり、
次に狙われるのは自分たちであろうとの見通しから、
戦々恐々とした日々を送っていることは窺えます。

同様に、バルト海の飛び地、カリーニングラードに接するリトアニアもまた、
何かと悩ましい日々を送っていることでしょう。
但し、リトアニアを含むバルト三国は NATO 加盟国です。

沿ドニエストル共和国やモルドバ共和国の歴史的経緯に関しては、
今後に述べていきたいと思ってます。