今月のウクライナ-14

今週のウクライナ。

4 月 6 日
● マリウポリ港で、ロシア軍の攻撃によりドミニカ船籍貨物船が沈没!
● NATO 加盟国であるチェコが、ウクライナ軍に戦車を提供!
● ロシア軍、キーウ周辺から完全撤退

7 日
● ロシア軍がマリウポリで移動式の火葬施設を稼働か?!住民遺体焼却用
NATO 外相、フィンランドとスウェーデン加盟の可能性協議
● 国連総会、ロシアの人権理事会メンバー資格を停止、決議採択

8 日
● ウクライナ東部の駅にミサイル着弾、
  脱出のため、駅に集まっていた子供を含む多数の住人が死亡!
  ミサイルの残骸には For Children 、Для детей の文字が!!!

9 日
● 地対空ミサイル S300 をスロバキアがウクライナに供与!


さて、先週以降、戦線に大きな変動は見られませんが、
膠着、というわけではないと思います。
数日以内のマリウポリの陥落が予想されているように、
ロシアはジリジリと南東部の足固めを行っていると思います。
米軍を始めとする西側はロシア軍の再編成に関して
多くの情報を得ているはずですが、
開戦前のバイデンの積極的な情報開示戦略とは異なり、
ロシア軍再配備に関する詳細な情報は、これまでのところ、
ほとんど報道されていません。
ある意味、不気味な静けさです・・・。

が、次の目標は、これまでも言ってきたように、明らかです。

ところで、駅舎に打ち込まれたミサイルの残骸の横には
先に書いたような、
冗談にもならないとんでもないことが書かれているわけですが、
なんでそんなことをするのか、全く持って不可解です。
それに対してロシア側は「フェイクだ!プロパガンダだ!」と、
相も変わらず、幼稚園児でも分かるような噓八百を並べ立てるわけですが、
なんでそんなことして自分たちを追い詰めるのでしょうかね?

それから、住民を連行して遠方に連れ去っている、との情報もありますが、
ソ連時代の 5 か年計画や日本降伏後のシベリア抑留じゃあるまいし、
いったい何を考えているのか、さっぱり分かりませぬ・・・。

日本の戦国時代でも足軽たちによる暴行略奪拉致は生じましたが、
多くの場合、統括する武将からは乱暴狼藉禁止令が出されてました。

なぜか。

戦術的、戦略的には全く無意味であるだけでなく、
色々な意味で逆効果しかもたらさないからです。

戦術的な包囲作戦などは理解できます。
以前も少しお話したように、
これをやられると多くの住民の餓死を招くことから、
包囲された側は白旗を上げざるを得なくなる可能性が生じると同時に、
NATO が臍を固める可能性も生じるので、
さすがのプーチンも避けているのかな?とも思いましたが、
事実は、単に、包囲戦を行うだけの軍備~糧秣が無い
という可能性のほうが強いように思えます。

町を制圧したのは良いが、兵站が全くダメダメなので、
イヌを殺して食べた、コンビニに押し入って略奪した、
民家に押し入ってあるもの何でも搔き集めて食べた、
ということですので、相当に気が立っていたのは分かります。
が、多数の住民を連行する行為だけは理解不能です。

思想教育、というわけでもなさそうですし・・・。

スターリン時代、多くのウクライナの富農が連行され、
そのほとんどは帰らなかったわけですが、
富農の定義=牝牛を一頭飼っている、くらいのものですので、
も、めちゃくちゃです。
ここら辺の事情は、今後お話していく予定です。

それにしても近現代ウクライナ史、ホントに複雑怪奇であります。
じゃもんで、も少しお時間を頂きたい!

では!