今月のウクライナ-10

ロシア、生物化学兵器を使用するか!?

ウクライナ兵、「ナンか、最近おなかの調子がいいんだが・・・」
プーチン、「しまった!間違えて乳酸菌を投下してしまった!」


さて、
停戦協議が進展しているとの情報と難航しているとの情報が錯綜してます。
一方で、
マリウポリが包囲され、ウクライナ軍への降伏勧告が出されたようです。

ここで、
ウクライナ軍の抵抗が長引く場合、それはどちらに有利に働くのか、
考えてみたいと思います。

一般的に、長引けば長引くほど経済制裁の効果が現れるからロシア側に不利、
と言われてます。
しかしながら、経済制裁の効果が出てくるほどの長期ではなく、
現行の戦いに影響する程度の中期的な視点から見れば、
抵抗の長期化はロシア軍に有利に働く可能性は十分考えられます。
すなわち、
今回ウクライナに投入されたのはロシア全軍の一部であるのは明らかですから、
時間の経過に伴って、ロシア各地から軍を集める可能性は十分あると思います。

というか、
それをしなかったらプーチンは本当にチンプーと呼ばれてしまいます!

関東軍が満州でにらみを利かしていた頃とは異なり、
極東の軍をシベリア鉄道で運んでも背後を衝かれることはありません。
中国もいることだし・・・。
「ロシア軍は数年間軍事行動を行えるだけの予算を別枠で持っている」、
との情報もあります。軍事は別腹、ということです。
ホントかどうかは知りませぬ・・・。

ロシア軍が、少なくとも今のところ軍備を増強していないのは、
現行投入の軍事力で十分制圧可能と考えているか、
未だ増強軍の態勢が整っていないためか、
あるいは意図的に、
恤兵真綿(じっぺいまわた)でそろりそろりと首を絞める
ことを狙っているのか、
いずれかだと思います。

仮に意図的にゆるゆるとやっているとすると、その意図は、やはり、
ゼレンスキーにかける圧力の効果をじっくりと見極めたい、
彼に、圧力下で、「考える時間」を与えたい、
ということなのかもしれません。

あるいは、本当に、ロシア兵の士気が低いためなのかもしれません。
みんな怖がって、祖父らがスターリングラードで味わったような
過酷な市街戦に陥るのを嫌がっているのかもしれません。
だもんで、シリアの傭兵やチェチェンのゴロツキ部隊を連れてきて
代わりに戦わせようとしているのかもしれません。

本当のところは分かりませぬ・・・。

いずれにせよ、ウクライナにとっては、市街が完全に包囲される前に
ナントか停戦に持ち込む方が良いと思います。
包囲されて補給が途絶え、
市民の間に多くの餓死者が生じるような事態に陥れば、
ロシアに対する轟々たる非難の嵐と同時に、
人道的見地から、
ゼレンスキーに対する全面降伏の圧力が西側市民の間で高まるのは必至です。

但し、この場合、NATO が動き出す可能性も生じます。
NATO が動く可能性としては、
加盟国に攻撃が加えられる以外には、
以下のようなケースが考えられます。

1. 上述のような悲惨な情景が現出すること
2. 戦術核兵器が使用されること

生物化学兵器の使用で動くか否か、これは微妙なところです。
使用の結果、看過できない悲惨な情景が現出すれば、
上記の 1 に該当しますので、
動く可能性が出てきます。

乳酸菌の場合は歓迎されます。
モロトフのパン籠、モロトフのカクテル、スターリンのオルガンに続いて、
プーチンのヤ ● ● ト、と呼ばれるかも知れませぬ・・・。

さて、上記の二つにおいても NATO が動かなければ、
それこそ NATO の存在意義が問われることになります。
もちろんウクライナは NATO に加盟しておりませんので、
その点、言い逃れはできますが・・・。
しかしながら、その場合でも、
NATO はウクライナを人身御供としてロシアに差し出した、との評価は、
今後、未来永劫に、甘んじて受けていかねばなりませぬ・・・。


但し、個人的には、1、2 共に、可能性は低いと思ってます。

前回述べたように、
ゼレンスキーを排除してロシア寄りの傀儡政権を建てた場合、
ロシアはこれを維持できないと思います。
今後さらに経済的に厳しくなってきますし・・・。

ですので、現在の攻勢は、ゼレンスキーとの交渉を有利に進めるための
「陣取り合戦」みたいなものだと思います。
従いまして、西側も、NATO のマッスルを震わす程度のことはすべきです!

落としどころは大体見えてます。
ルビコン川を渡って戻るに戻れないプーチンは
既に大局的な大負けが確定している
ので、
ウクライナは多少譲歩しても構わない、と個人的には思います。
しかもそれは譲歩じゃないです!
虫垂のようにぶら下がったアレやら東のコレやらは
今後のウクライナにおける不安定材料を提供するだけですので、
ここでサッサと手術して切り取ってしまう方が利口です。
プーチンにナチス呼ばわりされる口実も無くなります。
バルカンの轍を踏まない方が良い、と思います。
ここは損切りし、将来にかける方が得策です。
東洋には、臥薪嘗胆という言葉もあります。

但し、オデッサは、絶対に死守してくだされ!