今月のウクライナ-4

ロシア銀行、SWIFT から排除!
ロシア財界はプーチンと縁を切るか?

エルドアン大統領、ボスポラス海峡の封鎖を決定!
食えないオトコの真骨頂を示す!

中立国のスウエーデンとフィンランド、ウクライナに武器供与を決定!
フィンランドは NATO 加盟派が過半数を超す!

永世中立国スイス、ロシア資産を凍結!
「スイスよ、お前もか・・・」



ウクライナとロシアの会談が決裂するのは見え見えですが、
プーチンは全く持ってソロバン勘定が下手くそだ!
今頃はクレムリンの奥座敷で自分のソロバンを床に叩きつけて
テーブルの上で両手を組んで親指の爪をガチガチと齧っていることであろう!
まわりのお供の連中を罵りまくりながら!

1945 年のベルリンのどこかで見たような光景だワ!

それにしてもトルコのエルドアン、見事に食えないオトコだ!
恐らく、徹底して現実的な人間なのだろう。
それも日和見的に動くのではなく、
自国の立ち位置と方向性をしっかりと把握したうえで、
徹底して国益に沿って動くタイプなのであろう。
NATO の一員であると同時に EU への加盟申請も長いトルコであるが、
アメリカの反対を押し切ってロシアのミサイルシステムを採用したかと思えば、
シリアでは反アサドでロシアと対立!
今回はセンセの教えに従ってボスポラスとダーダネルスの封鎖に踏み切った!

トルコはイスラム国家ではあるが、伝統的に、いわゆる世俗派に属する。
都市部ではスカーフで頭を隠さない女性も多い。

一方で、オスマン時代はイスラムの盟主を自負していた。

15 世紀のコンスタンチノープル攻防戦の際、
東ローマ帝国はトルコの軍船の侵入を阻止するため、
金角湾をぶっとい鉄の鎖で封鎖した。
時のトルコの皇帝、メフメト二世は、
湾内に軍船を侵入させるため、
数十隻にものぼる軍船をえっちらおっちら山越えさせた!
で、結果、
海峡の両岸を制することとなり、
イスタンブールと名前も変え、
ブルーモスクが建ち、
飛んでイスタンブール」もできることとなったのだ!


メフメト二世.jpg                    メフメト二世 ウイキより


以下、簡単に、エルドアンが登場するまでの歴史です。

一時はウイーンを包囲するほどの勢いであったオスマン帝国であったが、
その後、下火になり、
「欧州の病人」と揶揄(やゆ)されるまでになった。
しかし第一次大戦後、あの有名なケマル・パシャ=アタチュルクが登場し、
一気にトルコの近代化を成し遂げた!


アタチュルク.jpg             ケマル・パシャの像 
             世界史の窓より 
             http://www.y-history.net/appendix/wh1503-116.html
             プーチンとにらめっこさせたらどっちが勝つかな?


この時にトルコは政治と宗教を分離し、
世俗主義的イスラム国家となったが、
エルドアンは逆にイスラムを推し進めたため、
世俗主義の牙城である陸軍がこれに反発して数年前にはクーデターを決行!

失敗に終わる・・・。

「今月の書評」シリーズですので、以下の書籍をあげときます。
G・H・ジャンセン「挑戦するイスラム」
ウルリッヒ・クレーファー「オスマントルコ帝国」
牟田口義郎「イスラムの戦争」
いずれも古い本ですし、
トルコ革命に関してはほとんど触れられていないので、
ここに載せるのも恐縮なのですが・・・。

こういう経緯のあるトルコですので、
基本、尚武の精神に溢れた国です。

向田邦子の脚本で NHK でドラマ化された「阿修羅のごとく」ですが、
その主題歌が「Ceddin Deden」。
トルコ軍楽隊の有名な曲目の一つです。

その他のトルコ軍楽隊の行進曲のいくつかをご紹介いたします。
Genç Osman」、「Hücum Marşı」、「Hicaz Humayun Peşrevi
モーツアルトの「トルコ行進曲」と比べて下され!

モーツアルト・・・
いったいどこからインスピレーションを得たのでしょうか???


ナンか、ウクライナとは関係なくなってしまいましたが、
次はフィンランドとロシアの関係についてちょこっとお話します。