今月のウクライナ-237

もうタイトルを「今日のトランプ」と変えた方が良いような毎日ですが、
ガザ地区の今後に関しても相変わらずぶっ飛んだ発言をしているトランプです。
内容に関しては、すでにみなさま十分にご承知のことかと思いますので、
ここでクドクド説明することは致しませぬ。
で、これもいつものパターンですが、
言った口が乾かないうちにルビオやスポークスパーソンのお姉さんが
直ちに尻拭いの発言をするという・・・。

これが意味することは、
「彼の発言は取り巻き連の間でも共有されていない」ということです。
要するに「取り合えず言ってみた」ということです。
で、周りの様子を見て「行ける!」と思えばさらに風呂敷を広げるか、
あるいは搦め手から突っ込んでみるか、
またはサッサと撤回するか、
のいずれかです。
この件に関しても、早くも本日になって彼が言ったことは、
先日述べていたものとは相当に異なる内容となっています。

先のカナダとメキシコとの交渉でも、
大きなアドバルーンを打ち上げたあとに得られたものは
国境での不法移民と薬物流入の監視のみ・・・。
「素晴らしい成果だ!」
とかおっしゃる方々もおられるようですが、
センセの目から見ると
「大山鳴動して」の類(たぐい)にしか見えませぬ・・・。
両国に課するはずの関税も一ヶ月後に先延ばしされましたが、
今度は世界一率に鉄とアルミに 25% の関税をかけるとのこと。
要するに、
すでに息も絶え絶えの US スチールの尻を叩いて
アメリカ産の鉱石を用いて彼らに鉄鋼製品を作らせたい、
ということなんでしょうね WWW。
日本としては、
行き場を失った鉄鋼やアルミニウムをお手頃価格で購入できて
よろしいんじゃないのでしょうか?
アメリカ抜きで TPP のような市場をより活性化していけば
よりよろしいんじゃないのでしょうか?
中国は速攻で報復関税をアメリカに対して課しましたが、
そのうち日本に対して秋波を送ってくるような気もします・・・。

昨日の発表によれば、
昨年の日本の経常収支は史上最高値を更新とのこと!
もちろん最大の原因は急激な円安にありますが、それ以上に、
戦後~経済成長時代の日本のサラリーマンの方々の努力の賜物、
24 時間、日々戦い抜いてきた彼らの貢献の賜物。
これらの海外の日本資産により、
史上最高の借金額(飽くまで国内でのハナシ)をも同時に更新しましたが、
経済的国力はたとえドイツに再び抜かれようとも、
膨大な借金にも揺るぐことのない日本!
世界的な関税合戦となって世界同時不況に陥ったとしても、
日本は沈没いたしませぬ!
トランプの要請に応じてさらにアメリカに投資することとなっても、
これらは、さらなるヘッジとなって日本に利する形ともなり、
最悪の場合は「米国債を売る!」とのオドシ文句もありますぞ!

ネットなどでは
「これこそ真の交渉術だ!やはりトランプは天才的なビジネスマンだ!」
とかおっしゃる方々も一定数おられるようですが、
彼のような態度が交渉相手を含めた周りの人間に与える印象を考えると、
そんな単純なものとは思えませぬ。
どのような人間にも、そして国家にも、尊厳~プライドというものがあり、
金とオドシだけで動くものではありませぬ・・・。
また、金とオドシで結びついた関係というものがどれほど脆弱なものか、
日々の生活の中で身に染みておられる方々も多かろう、と思います。

過去には一枚リーグであったアラブ連盟でしたが、
度重なる対イスラエル戦争での負け戦によりすっかり切り崩され、
個別にイスラエルとの和平交渉を余儀なくされてしまいました。
バラバラとなってしまったはずの「アラブの一枚岩」でしたが、
この度のトランプの発言で民族としてのアラブの魂に再び火が付き
せっかく親米となってこの地域でのアメリカの足掛かりとなっていた
サウジアラビアまでもが反旗を翻し、
反米~反イスラエルを唱えてアラブは再び一枚岩となるチャンス!
チャチャンスチャンス!!

♪ チャンスは二度と来ないわよ、チャンスを逃がすはバカだわよ、
ちょんぱっ!!!← ひょっこりひょうたん島です ♪

・・・ひょうたん島はともかく、
アメリカとは良好な関係を維持してきたサウジがまずは噛みついた!
エジプトも近々にアラブの諸国家を集めて会議を行うと発表!
トランプと共に会見に臨んだネタニヤフ、
度肝を抜かれるトランプの発言をナントかアドリブでカバーしつつも
「いや、それはちと有難迷惑なんだが・・・」とか、
表情が物語っていた・・・。

金とオドシでしか交渉する術(すべ)を知らないトランプ・・・。
自分の、自国に対する愛情や誇りと同じものを
他国の人々も同様に持っていることを知っているのか知らないのか、
今現在次々と選挙公約を実行しつつあるトランプに対して
過半のアメリカ国民は喝采を送っているようですが、
一年後の彼らがどうなっておりますことやら・・・。
選挙公約の実行=公約目的の達成、ではありませぬ・・・。

010911 の結果を受けてイラク侵攻を開始した小ブッシュは、
当初、大多数のアメリカ国民から絶大な支持を受けておりましたが、
数年後にはどうなりましたでしょうか・・・。
自国の歴史くらいは学んで頂きたいものではありますが・・・
さて・・・。