今月のウクライナ-224

先週の土曜日、
センセの卒業大学の一つである M 大で恩師の米寿の祝いがありましたので、
古希のセンセは飛行機で宮崎まで行ってこれに参加し、
日曜日に戻ってきました。
で、TV をつけたら、シリアのアサド政権が倒れている・・・。

「は?」

先週くらいから反アサド派による攻勢があったのは知ってましたし、
イスラエルが絡んでいる、トランプが絡んでいる、トルコが絡んでいる、
だのの噂があるのも承知してましたが、
いやまた内戦が再燃したのか?やれやれ・・・程度の認識でしたので、
大して注目もしておりませんでした。
が、いきなりアサドが逃げ出している・・・。

「は?」

アサドが乗った飛行機が消息不明となった!とか、
トランプとエルドアンがノーベル平和賞を狙って
ウクライナ戦争終結に向けて仕組んだ罠だ!とか、
こういうのがあると色々と与太ネタが必ず飛び交いますが、
今回の反シリア派の連中の背後にトルコがいることは確かなようです。
と言うことは、
トルコとイスラエルは仲が悪いので、
「ヒズボラに対するイランの援助を断つ目的でイスラエルが仕掛けた」説は
否定されると思います ※。
で、すでによたよたアヒル化しているとは言え
現状のアメリカはバイデン政権下にあるわけですから、
どんなに次期大統領としてのトランプ本人に影響力があろうとも、
現時点でこんな芸当がトランプに出来るとは思えませぬ・・・。
やるとしたらバイデンでしょうが、
アメリカ政府の動きを見ていても、
彼が黒幕として働いたようには思えませぬ・・・。
ならば、トルコが仕掛けた可能性が一番強い。

※ どさくさに紛れてイスラエル軍がシリア・ゴラン高原を越え、
首都ダマスカス近郊まで進軍しているとの新たな情報が流れてきました!
但し、これはどさくさ紛れの火事場泥棒であり、
センセのトルコ主犯説は変わりませぬ。
違ってたら、そのうち「ごめんなさい」します。

シリアの反政府勢力には色んな連中が居りますが、
例の超過激派組織 IS 系、クルド系、シリア政府軍からの離反者勢力、
アルカイダの残党などなどなど、が主なものでしょうか。
これらが離合集散を繰り返しながらこれまでシリア政府軍と戦ってきましたが、
元々ソ連時代からシリアとの関係が深かったロシアとしては
「欧米が背後にいる」、
とプーチンが考える「アラブの春」運動に対抗するためもあり、
ロシアはアサド政権側に立って軍事援助を行ってきました。
その後に超過激派である IS を叩き潰すために米軍が関与する形となりますが、
ここにおいて一時期、
ロシアとアメリカの利害が一致する奇妙な期間もあったのがシリア内戦でした。

で、シリアの不安定化の影響を最も被る国は何処かと考えれば、
それはトルコであるのは明らかです。
世界で最大のシリア難民を抱えるトルコですが、
これに加えて最近では国境沿いのクルド系過激派に動きがあるようで、
今回、ウクライナ戦争のために
シリアに対して十分な兵員を駐留させることの出来ないロシアの間隙を縫い、
自国の息のかかった勢力をけしかけて問題解決に向けて一気に動いた、
そしたら意外にも簡単に落ちてしまった、
エルドアン、「あれあれあれ~~~???(トルコ語で)」
と言うのが真相ではなかろうかと個人的には思ってます。
違うかもしれないけど・・・。

それにしても、
未だ刑務所のどこかに数千人もの政治犯が閉じ込められているとか、
アサドが逃げ延びたモスクワには
彼と彼の身内が保有する多くのゴージャスなマンションがあるとか、
町中に自分と自分の父親の銅像を建てまくるとか、
ホント、ここら辺の独裁者連中というのは
「絵」に描いたように見事にもあっぱれな独裁者ではありますね!
センセの世代では父親のアサドの方が印象強いのですが、
父親の後を彼が継いだ時には自由主義を掲げた「温和な」イメージがあり、
また、彼の奥さんも英国仕込みのエリートで、
彼が自国民を弾圧するようになると大反対して
英国に帰ってしまったような記憶があります。
記憶違いかも知れませぬが・・・。
少なくとも当時は独裁政治を行う人間には見えませなんだ。

これはキムくんも同じ。
スイスで教育を受けたキムくんでしたので、
あのような国のあのような独裁者になるとは思いもしませんでしたが、
あのようになってしまいました・・・。

こうしてみると、
どのようにしたら独裁者が生まれ、
結果として生まれた独裁者は独裁を維持するためにどのように振る舞い、
その振る舞いの結果から生じた結果に対してどのようなことを仕出かし、
最終的にはどのような結果となるのか、
我々は目の当たりに色々と学んでいる、
と言ってもよろしかろうと思います。

フィリピンのマルコス大統領やリビアのカダフィ大佐、
さらにはベルリンの壁崩壊後のルーマニア・チャウシェスク大統領夫妻だの、
いわんやアドルフ・ヒトラーにおいてをや、
過去にも学べる事案は色々と多かったのではありますが、
ロシアのプー氏、まだまだ学び足らざるように思われます・・・。

たぶん、お勉強するのがとっても好きなおヒトなんですね!
なっとくです。