今月のウクライナ-23

「今週のウクライナ」。大きな進展としては、
マリウポリ製鉄所で抵抗を続けていたアゾフ連隊が全面降伏しました。
これで一応クリミア半島までの「アゾフ回廊」は完成しましたが、
ロシアはオデッサを占領できる余力はあるのでしょうか?
今後は当面、東部制圧に全力をあげるのでしょうが、
この流れで、東部ウクライナ軍包囲殲滅作戦再開の可能性もあります。
ここでもう一度ボコボコにやられたらさすがに諦めると思いますけど・・・。

その他に目立った進展はなかった一週間でした。長引きそうな雰囲気です。



さて、古代史における中東~地中海域~イラン~インドにわたる地域ですが、
その重要性を今一度認識していただくために、
いわゆる「セム語系」の言語を話す人々について整理しておきたいと思います。

センセが高校時代に習った世界史では、
「アラブ人がセムで、エジプト人がハム、
ドイツ人はソーセージで、オーストリア人はウインナー」
と教わりましたが、うそですけど、現在はこのような分類はしません。
経緯に関してはググってください。

で、現在はより大きなくくりとして「アフロ・アジア語族」が設定され、
セム語系は、その下部に位置されることとなりました。

アフロアジア語族.jpg黄色がアフロ・アジア語に分類される言語が話されている地域 ウイキより


で、現代のセム語系話者の代表格がアラブ人ですが、
連中、7 世紀にマホメットがイスラム教を発明したおかげで、一気に、
中央アジアからイベリア半島(スペイン)に至る大帝国を築き上げました。
サラセン帝国(イスラム帝国)です。
おかげで、アラビア半島は当然のことながら、
エジプトを含む北アフリカは軒並みアラブ化してしまい、
象形文字でおなじみの古代エジプト語は完全に消滅。
加えてイスラム文化の影響下で、
中央アジアからイラン~トルコ~北アフリカを通ってモロッコに至るまで
ターバンとか砂漠とかラクダとか石油のイメージも重なり、
みんな同じ人々のようにしばしば感じてしまいますが、
もちろんその中には言語の異なる多くの民族が包含されているわけでして、
そこら辺を知らないヒトの中には、
トルコもイランもパキスタンも全部一緒くたに「アラブ人」
と表現する方も時々居られるようなので、
気を付けなくてはなりませぬ!

※いや、本当に居るんです!!!


アラブ語.jpgオレンジ色がアラブ語。ウイキより
モロッコの先住民であるベルベル人は現在でもベルベル語を話しています。
サハラ砂漠の遊牧民、トゥアレグ族もベルベル語を話す人々です。
エチオピアやソマリアで話される言語はクシ語に属します。


で、古代中東に戻りまして、
先にお話しましたように、シュメール人やエラム人はセム語系ではありません。
シュメール以降のアッカド人、アッシリア人、フェニキア人、ユダヤ人などが、
古代中東の主なセム語系の人々です。もっと居ますけど・・・。

このようなセム系古代王国の中に、紀元前 16 世紀ごろ、
インド・ヨーロッパ語(書くのがめんどなので、今後、印欧語族とします)を
話す人々が王国を打ち立てます。

ヒッタイトです。