今月のウクライナ-17

インド・ヨーロッパ語族が拡散しつつある頃、
北東アジアの遼河流域に高度な文明を築いた連中もまた、
シベリア~ウラル~スカンジナビアにかけて拡散していきました。
インド・ヨーロッパ語族とは全く言語体系の異なる、
いわゆる、フィン・ウゴル語を話す人々です。

これらの人々は、当初、容貌も全く異なっていましたが、
特にフィンランドやエストニアなど、
欧州の地に深く食い込んだ連中ではコーカソイドとの混血が進み、
現在では外見的には区別できません。

一方で、ウラル地域に住み着いたサモエードに代表される人々は
必然的にスラブ系の人々と居住域を接する形となりましたので、
スラブ人の中でも特に現代ロシア人の中核を成す人々の間には、
ウラル系の人々から受け継いだ遺伝子が多く認められるようです。
ブログで何度もお伝えした、YDNA の N ハプロタイプです。

ユーラシア 民族の拡散.jpgユーロアジアの民族の拡散状況

上図では、煩雑さを避けるため、
モンゴルやトルコ系の連中は描かれていませんが、
彼らもまた、この先登場してきますので、
頭の片隅に入れておいてください。
また、遼河文明を築いた人々が拡散して行ったのか、
あるいは同族の一派は遼河文明を築き、
他の一派は直行で北方に拡散して行ったのかは分かりませぬ。
たぶん、後者が正しいのかと思いますが・・・。

前回、コーカサス地方には
インド・ヨーロッパ語族に属さない少数民族がひしめいている
とお伝えしましたが、同じように、
ウラル山脈から極東シベリアに至る、いわゆるタイガ地帯には、
数は少ないですけど、
上記ウラル語族以外の多くの少数民族も住んでおります。
現在ではロシア化が進んでますが、
本来的には狩猟を生業とし、
見た目も典型的な北方アジア系の人々です。

黒沢明監督の「デルス・ウザーラ」の世界です。

けれども遺伝子構成としては結構変化に富んでおり、
中には北米インディアンとの繋がりが認められる人々もおります。
ここら辺を調べだすと、センセの場合、
やめられない止まらない状況に陥りますので止めますけど、
興味のあるお方は是非是非調べて下され!

デルスウザーラ.jpgデルス・ウザーラの写真 実在の人物です。ウイキより

以下、カラパイアから拾ったシベリア少数民族の写真を載せます。
芸術的で、感動的です!
カラパイアさん、ありがとう!
カラパイアは、ナショ・ジオと共に、センセの好きなサイトの一つです!



ニヴフ.jpgウデヘのオトコ


ブリヤート.jpgブリヤートのオンナ


ウデヘ.jpgウデヘの母子


nanai.jpgナナイのオトコ


チュクチ.jpgチュクチの少女


エヴェンキ.jpgエヴァンキの猟師


ウイルタ.jpg
ウイルタの少女

ドウルガン.jpgドウルガンのオンナ

みんな、同級生とか、隣のお姉さんやおばさんとか、のカンジ・・・。

ナンか、ウクライナとは全く関係なくなってしまいましたが、
ま、これはこれで・・・。

次回はスキタイとかサルマタイとかの戦闘的遊牧民が登場する予定です!