今月のウクライナ-161

ガザでは人質の交換が比較的スムーズに行われているようですが、
今後の成り行きには不透明な所もあります。
結局のところ、ハマスは一体何をやりたかった、
あるいはやりたいのでしょうかね?
北部ガザ地区は文字通りの焦土と化し、
休戦も一段落すれば、イスラエル軍は南部も攻撃すると言ってます。
仮に現状のままで南部攻撃に踏み切れば
さらなる数の住民が巻き添えを食う形になりますので、
世界中からの非難の声が今以上に高まること請け合いです。
ハマスはそれを狙っているのだ!としかセンセには思えない・・・。
穿った見方かもしれませんが、
身内であるガザ地区住民を人身御供に世界中の同情を喚起して、
他力本願により現状を塗り替える一助とする、
と考えているとしか思えない・・・。

紛争終了後は、確かに、ネタニヤフ政権は崩壊すると思いますが、
それ以上のことがこの地に生じるか否か、これまた不透明です。
個人的には、やはり、パレスチナ国家を作り、世界がこれを承認し、
承認された国家としての責任を彼ら自身に持たせる
という形が有効であると思いますし、
現状の占領下ラインに留まらず、両者共に安全が保障される形での
新たな線引きを行うのも有効だと思いますが、
言うはやすし横山きよし的な問題ではあるのは間違いありません。


さて、東は中央アジアから西はイベリア半島に至るまでに
イスラムの版図を広めたウマイヤ朝ですが、
平等主義を唱えるイスラム教の本来の教えとは異なり、
実質的には「アラブ人のためのイスラム教」であったり、
また、統治においてはウマイヤ家中心の身内主義を採用したりで
各地に不満が高まり、反乱が頻発するようになりました。
そんな中、中央アジアのホラーサンにおいて興った反乱を利用して
モハメットの伯父の子孫であるアッバースがウマイヤ朝を倒し、
アッバース朝を開きます。
西暦 750 年のことです。

アッバース朝.jpgアッバース朝の最大版図  ウイキより
Umayyad750ADloc.png: Gabagoolderivative work:
Bassem (talk) - Umayyad750ADloc.png, CC 表示 3.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15024989による
イベリア半島の深緑色は、
今後に述べる予定の後(こう)ウマイヤ朝の領地です。