疲労・休養・栄養・運動-14

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仕事で使われる以上のエネルギーを摂取するから太る。運動によってこの余剰エネルギーを解消出来ないのであれば、食事量を減らす。言葉で表せば簡単な事ですが、何故か出来ない。一つの理由として、「職業の種類」があるかと思います。

野球選手やサッカー選手、恐らくと言おうか間違いなくと言おうか、食事量は半端じゃないと思います。でも、阿部慎之助あたりは別として、大概は贅肉など付いておりませぬ。運動量が半端じゃないからですね!反対に、テノール歌手とかソプラノ歌手とか、或いはオペラ歌手など、皆さん相当に体格の良い方が多い。声量を維持するには多くのエネルギーが必要なのでしょう。けれども「最近太ったから運動して痩せよう!」とオペラ歌手が考えてランニングして痩せた場合、ナンか想像出来るのですけど、たぶん、オペラ歌手としてやっていけない気がします。歌の練習をするときには既にエネルギーが残ってないので、練習が出来ない。声を出せたとしても、たぶん、感情がこもってない。でも、太るのは健康に悪い。歌の練習とオペラ本番で使用するだけのエネルギーのみを食事から摂ればよい、と考えて食事量を減らす。一方で、食事量を減らさないライバルが居たとする。食事量を減らさないライバルは常に体中に余剰エネルギーが満ちあふれているので、健康を考えて食事量を減らした歌手よりも練習が出来る。その結果、健康を考えた歌手は健康を考えなかったライバルに負ける。運動選手の場合は練習量以上に食事量を増やすと体重増加となって反対に運動能力が低下するので、適正量が必然的に定まる。しかしながら、オペラ歌手の様なタイプの職業は、食事から得られるエネルギー量が多いほど練習が出来、結果的に能力が上がるので、必然的に体重が増えがちとなる。

オペラ歌手では無い演歌歌手、ろっくんろーらー、或いはAKB48などは太ってないじゃん、と言うご意見に対しては、「だってこの人達は単純に声質だけで勝負している訳じゃないもん!」と言うのが答えです。オペラ歌手の様な声質と体格を持った女子高生を48人集めても、、、、ううむ、、、、あんまし想像したく無い、、、。

上で述べたことは、他の多くの職業に関しても言えるかと思います。結局、現代社会では、多くのサラリーマンの方々が担当されている仕事の大部分は、運動選手とは異なり、適正体重の時に仕事の質が最適に至る、と言う系からは逸脱している、と言う事です。ナンかすんごく難しいモノの言い方ですけど、、、。これが大昔の狩猟社会であれば、これは否応なく適正体重と仕事の質は一致する事となるはずです。現代社会に於いても、「競争」と言う性格が無ければ、オペラ歌手の例で議論した様に、適正体重で仕事をする事は可能かと思います。このときは、本人の自覚だけが必要となる訳です。

「競争」の概念が入ってきますと、ジレンマが生じます。極端に言えば、健康を取るか、或いは昇進をあきらめるか、最悪の場合は首を覚悟するか、と言う事です。

健康を犠牲にして短期間に成果を求める最も分かりやすい例として、60年代のろっくんろーらーのお話をします。ジャニスジョプリンもジミヘンもジムモリスンも、みんな20代の時にヤクで死にました。60年代のロックシーンを知らない年代の方々にあの当時の熱気を伝えるのは不可能かも知れませんが、現代の若者文化の土台は、IT関連を除いて、全てこの時代に作られています。ロック音楽も、この時代に生まれたもの以上のモノは、未だに出現しておりません。で、これらの天才達は、LSDなどの薬物を用いつつ、自らの生命を削り取りつつ、未だに語り継がれる名曲の数々を生み出していった訳です。現代に於いてこれに似た現象は、オリンピックや大リーグなどで活躍する有名選手の薬物の使用が上げられます。オリンピックで金メダルを取ったけれども、薬物使用でその後に若くして死んでしまった美人短距離選手が居りました。競争が激しすぎると、一流選手と言えども単純に適正体重で全力を出しても一等賞には成れませんので、プラスアルファを求めます。金と栄光、名誉を短期間で手中にしたい。その為には・・・・・、と言う事です。

こうなりますと、「太くて短い人生か、細くて長い人生を取るか」と言う、古くて新しい選択問題となってまいります。でも、「ぶっとい、と言う訳では無いけどやや太めで、しかも長い人生」と言う選択肢もあるかと思います。次回は最終回と致しますが、「やや太めで、しかも長くて楽しい人生」と言う選択肢に就いて考えてみたいと思います。

 

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このページは、喜源テクノさかき研究室が2013年7月15日 15:01に書いた記事です。

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