2013年7月アーカイブ

疲労・休養・栄養・運動-14

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仕事で使われる以上のエネルギーを摂取するから太る。運動によってこの余剰エネルギーを解消出来ないのであれば、食事量を減らす。言葉で表せば簡単な事ですが、何故か出来ない。一つの理由として、「職業の種類」があるかと思います。

野球選手やサッカー選手、恐らくと言おうか間違いなくと言おうか、食事量は半端じゃないと思います。でも、阿部慎之助あたりは別として、大概は贅肉など付いておりませぬ。運動量が半端じゃないからですね!反対に、テノール歌手とかソプラノ歌手とか、或いはオペラ歌手など、皆さん相当に体格の良い方が多い。声量を維持するには多くのエネルギーが必要なのでしょう。けれども「最近太ったから運動して痩せよう!」とオペラ歌手が考えてランニングして痩せた場合、ナンか想像出来るのですけど、たぶん、オペラ歌手としてやっていけない気がします。歌の練習をするときには既にエネルギーが残ってないので、練習が出来ない。声を出せたとしても、たぶん、感情がこもってない。でも、太るのは健康に悪い。歌の練習とオペラ本番で使用するだけのエネルギーのみを食事から摂ればよい、と考えて食事量を減らす。一方で、食事量を減らさないライバルが居たとする。食事量を減らさないライバルは常に体中に余剰エネルギーが満ちあふれているので、健康を考えて食事量を減らした歌手よりも練習が出来る。その結果、健康を考えた歌手は健康を考えなかったライバルに負ける。運動選手の場合は練習量以上に食事量を増やすと体重増加となって反対に運動能力が低下するので、適正量が必然的に定まる。しかしながら、オペラ歌手の様なタイプの職業は、食事から得られるエネルギー量が多いほど練習が出来、結果的に能力が上がるので、必然的に体重が増えがちとなる。

オペラ歌手では無い演歌歌手、ろっくんろーらー、或いはAKB48などは太ってないじゃん、と言うご意見に対しては、「だってこの人達は単純に声質だけで勝負している訳じゃないもん!」と言うのが答えです。オペラ歌手の様な声質と体格を持った女子高生を48人集めても、、、、ううむ、、、、あんまし想像したく無い、、、。

上で述べたことは、他の多くの職業に関しても言えるかと思います。結局、現代社会では、多くのサラリーマンの方々が担当されている仕事の大部分は、運動選手とは異なり、適正体重の時に仕事の質が最適に至る、と言う系からは逸脱している、と言う事です。ナンかすんごく難しいモノの言い方ですけど、、、。これが大昔の狩猟社会であれば、これは否応なく適正体重と仕事の質は一致する事となるはずです。現代社会に於いても、「競争」と言う性格が無ければ、オペラ歌手の例で議論した様に、適正体重で仕事をする事は可能かと思います。このときは、本人の自覚だけが必要となる訳です。

「競争」の概念が入ってきますと、ジレンマが生じます。極端に言えば、健康を取るか、或いは昇進をあきらめるか、最悪の場合は首を覚悟するか、と言う事です。

健康を犠牲にして短期間に成果を求める最も分かりやすい例として、60年代のろっくんろーらーのお話をします。ジャニスジョプリンもジミヘンもジムモリスンも、みんな20代の時にヤクで死にました。60年代のロックシーンを知らない年代の方々にあの当時の熱気を伝えるのは不可能かも知れませんが、現代の若者文化の土台は、IT関連を除いて、全てこの時代に作られています。ロック音楽も、この時代に生まれたもの以上のモノは、未だに出現しておりません。で、これらの天才達は、LSDなどの薬物を用いつつ、自らの生命を削り取りつつ、未だに語り継がれる名曲の数々を生み出していった訳です。現代に於いてこれに似た現象は、オリンピックや大リーグなどで活躍する有名選手の薬物の使用が上げられます。オリンピックで金メダルを取ったけれども、薬物使用でその後に若くして死んでしまった美人短距離選手が居りました。競争が激しすぎると、一流選手と言えども単純に適正体重で全力を出しても一等賞には成れませんので、プラスアルファを求めます。金と栄光、名誉を短期間で手中にしたい。その為には・・・・・、と言う事です。

こうなりますと、「太くて短い人生か、細くて長い人生を取るか」と言う、古くて新しい選択問題となってまいります。でも、「ぶっとい、と言う訳では無いけどやや太めで、しかも長い人生」と言う選択肢もあるかと思います。次回は最終回と致しますが、「やや太めで、しかも長くて楽しい人生」と言う選択肢に就いて考えてみたいと思います。

 

疲労・休養・栄養・運動-13

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皆様コンニチハ!未だ7月半ばですけど、既に夏も本番の勢いで、猛烈な暑さが続いています。例年でしたら未だ梅雨の時期で、しとしとぴっちゃんかえるがけろけろの頃合いですけど、なんか、雨が降っても夕立みたいに猛烈だし、やっぱり地球は熱帯化しつつあるのでしょうね。地球温暖化は捏造だ!などと言う輩もアメリカ辺りには多いとの事ですが、これだけ短期間にデータが蓄積しつつありますので、既に勝負あった、と言っても良いかと思います。しかしながら、問題解決にあたっては一筋縄ではいきません。本邦に於いては原子力発電再稼働問題がこれに該当しますし、お隣の中国ではこれが為に深刻な環境問題を引き起こしております。シェールガス~シェールオイルの実用化によって化石燃料の使用量はこの先さらに増加すると思いますし、北極の氷が溶けることによって北極航路が実用化され、同時に北極資源の開発も可能となりますので、世界の趨勢としては、温暖化防止と逆のコースをたどりつつある様に思えます。基本的にはヒトの強欲さが問題な訳ですが、単純に経済拡張を巻き戻しても、その先にあるのは貧困と混乱、さらには地域紛争の増加、と言う事でしょうし、何もしなければ、これも同じように環境悪化~大量の難民の発生~地域紛争の増加となって現れるのは明らかですから、どちらに転んでも、将来の世代は何かと厳しい時代を迎えるのは必定かと思います。

これを根本的に解決する方法はあるのか?と言う事ですが、「核融合炉が実用化されれば二酸化炭素も放射能も発生しないので、これで万事解決だ!」と言う意見もありますが、そもそも核融合炉が実用化される見通しは現時点では全く建っておりませんし、加えて核融合に於いては三重水素を使用する必要があり、これ自体が弱いながらもやっかいな性質を持つ放射性物質ですので、事は簡単ではありません。結局のところ、「二酸化炭素はなるべく出さない。出したら回収する方法を考える。」と言う、常識的な結論に達してしまいます。あと、「大豆麹乳酸菌発酵液を飲む!」と言うご意見もあるようですが、たぶん、全く関係ないかと思います・・・。

さて、疲労シリーズもそろそろ終了、と言いながらもナカナカ終わりませぬ。このシリーズを書き始めたのが去年の夏休みですから、ナント、既に1年近くも経つわけです。理由の一つとして、書き始めてもナカナカ本題に入らず、前書きがやたらと長い、と言う事があるかと思います。センセも書いててホントにそう思うのですが、実は、書く前に結論がある訳では無く、書いてるうちにだんだん形が出来てくる、と言う事ですので、必然的に前置き段階が長くなってしまいます・・・。今も前書きを書きながら、頭の中では「さて、書き始めてはみたものの、今回はナニを書こうか・・・。」などと考えている訳です。で、前回は故チャペス氏をネタにして肥満と仕事量と病気の関係に就いて書きましたので、今回は参院選挙もある事ですし、これに関連したネタを前回に引き続いて書いてみようと思います。以下、漸く本題となります。

自民党の石破幹事長、ちょいと気がかりです。ギトギト、と言うか、したたり落ちそう、と申しましょうか・・・。このブログで政治的意見を述べることは御法度ですので政策がどうのこうのとは言いませんが、一人の政治家として大変に論理的で有能な人物であると思いますし、同時に、与党の幹事長としての仕事の質量、これもまた半端では無いと思われます。で、たぶんですけど、食事量も半端では無いかと思います。

先日、学会出席の為に東京に行ってきましたが、メタボチックな30~40台のサラリーマンの数が以前にも増して増えつつある様に、東京に行くたびに感じます。今回は日本がん予防学会でしたが、そこでは多くの演者が「肥満~糖尿病と発がん」の関係に就いて述べておりました。もちろん、「非常に関連が強い」との結論です。近年では、脂肪細胞から分泌されるレプチンやアデポネクチンなどの物質がガンを含む生活習慣病に及ぼす影響に関する研究結果が盛んに発表されております。肥満そのものがガンの引き金となる訳ではありませんが、肥満をもたらす食事内容や生活習慣の中にガンを誘発する因子が存在し、また、肥満を放置する事によってガンが進行する可能性がある訳です。

以前から述べておりますように、増加する仕事量を何とかこなすにはエネルギーが必要ですので、エネルギーを取り込むために食事量を増やす、と言う行動となって現れる訳です。肥満になる、と言う事は、仕事で使われる以上のエネルギーを日常的に食事から摂取している事を意味しますので、例えば余剰エネルギーを用いて運動をすれば万事解決なのですが、なにぶん忙しすぎて運動時間も取れないと言う方々が大部分かと思われます。運動によって余剰エネルギーの燃焼が出来ないのであれば、後は燃焼系サプリを摂るか食事量を減らすかする以外に方法はありませんが、サプリ系はそこそこ程度の効果しか無い事が体験的に分かっておりますので、結局、食事量を減らす以外に方法はありません。一方で戦後の経済発展に伴って美味しい食事が格安で食べられる時代となっておりますので、結局は、「自己抑制」と言う事に尽きるかと思います。

石破幹事長、大変論理的で有能な政治家ですが、例えば小泉元首相等、同じように有能な政治家でもやせ形の方も多いので、体質の問題はとりあえず脇に置いておくとして、肥満を解消しつつも何とか有能性を維持する方法はあるのでは?と感じます。初めの一歩としては、まずは肥満が健康に対してもたらす負の影響を認識し、これを解消しよう、と言う決意を持つ事かと思います。全てはそこから始まると考えます。

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