今月の書評-124

| | トラックバック(0)
で、崇神天皇、まつりごとを始めて程なく、民の間に大疫病が広がり、クニの人口が半減!それだけでなく、人口流亡に加えて造反も生じ、大混乱となってしまいます。以下、原文。

五年に国内に疾疫(えのやまい)多くして、民(おおみたから)死亡(まか)れる者有りて、且大半(なかばにす)ぎなむとす。六年に百姓(おおみたから)流離(さすら)へぬ。或いは背反(そむ)くもの有り。その勢い、徳(うつくしび)を以て治(おさめ)むこと難(かた)し。

で、天皇、朝から晩まで一所懸命に神様にお祈りするだけでなく、「天照大神さまと大国主命(=大物主神。別とする説も当時からあり〼)さまがお怒りになっておられるからこんなにも国が乱れるのだ」と考えた。これまで天皇は両神を自身の寝殿内に祀っていたが、両神と共に起居するのが怖くなり、別の場所に分祀することとした。で、天照大神に関しては、娘の豊鍬入姫命(とよすきいり ひめのみこと)、略して「トヨちゃん」、を担当に任命した。大国主命に対しては別の方を担当させたが、その方、体が衰弱して仕事にならず。

このように色々手を尽くすのだけれども、国の乱れは一向に収まる気配がない。

で、天皇は考えた。以下、原文。

「恐らくは朝(みかど)に善政(よきまつりごと)無くして、咎(とが)を神祇(あまつかみくにつかみ)に取らむや。なにぞ命神亀(うら)へて災いを致す所由(ことのよし)を極めざらむ」

意味。「たぶん、自分の政治が悪いので、国がこうまで乱れるのであろう。これは一つ占いをして、その原因を探ってみよう」というカンジ。

で、ここの「咎(とが)を神祇(あまつかみくにつかみ)に取らむや」という文章ですが、神祇という言葉は「じんぎ」と読み、「あまつかみくにつかみ」という意味です。当然これは「天つ神」と「国つ神」を意味し、いわゆる「八百万(やおよろず)の神」と同義です。

で、日本書紀~古事記を読んでいてすぐに気づくことの一つに、これらの「神」さまは、キリスト教やイスラム教で言うところのGOD やアッラーなどとは大きく性質の異なるもので、非常にしばしば単に「偉いヒト」を意味します。

要するに、半島由来の偉いヒトが「天つ神」であり、土着の偉いヒトが「国つ神」なのです!従いまして、いわゆる八百万の神というのは、広い範囲から集まってきた豪族連中を意味するのです!

ですので、上記の「咎(とが)を神祇(あまつかみくにつかみ)に取らむや」とい個所を「国がこうまで乱れるのであろう」と訳すのは良きかな!と思います。





トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 今月の書評-124

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.kigen-technosakaki.jp/mt/mt-tb.cgi/317

この記事について

このページは、喜源テクノさかき研究室が2021年7月23日 17:05に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「今月の書評-123」です。

次の記事は「今月の書評-125」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。