今月の書評-20

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さて、今からおよそ2万9千年くらい前の旧石器時代に「姶良(あいら)カルデラの大噴火」が生じ、日本列島西南部は壊滅的打撃を受けたお話をしましたが(今月の書評10)、縄文文化もたけなわの今から7千年くらい前、現在の鹿児島南方沖で再び大規模な噴火が生じました。「鬼界(きかい)カルデラの大噴火」です。

喜界カルデラ-2.jpg
ウイキペディアより


前回の姶良カルデラほどではありませんが、現代に生じたら数千万人規模の被災者が生じる可能性のある大噴火であるのは間違いありません。直接の被害のみならず、噴煙による気候~植生への影響も大きかったに違いありません。


縄文早期.jpg
当然これにより、九州~西日本の縄文文化は大打撃を受けたと考えられます。


縄文早期-2.jpg
大変興味深いことに、日本での旧石器時代の遺跡数は3000 から5000 ヶ所にのぼるのに対し、朝鮮半島でのそれはわずか50 ヶ所程度だそうです。すなわち朝鮮半島においては、旧石器時代、極めてヒトが少ない状態だったと考えられます。加えて、今から1 万年前ともなると半島からはヒトの気配が全く消え、再び朝鮮半島にヒトの形跡が現れるのがおよそ7000 年前ほどから、ということです。
そうなりますと、鬼界カルデラの大噴火との関連性が指摘されてもおかしくありません。
7000 年前くらいから再び現れる朝鮮半島の遺跡から出土する人骨は、押しなべて縄文人の特徴を示すということです。ということは、北九州や中国地方の縄文人が火山灰で住めなくなった郷里を捨てて海を渡り半島に移住したというシナリオは、寧ろ合理的です。もちろん東日本を目指しての大移動も生じたと考えられます。この結果、縄文文化は中部~関東~東北を中心として発展していくこととなりました。センセの個人的な仮説ではありますが・・・。

それにしても、旧石器時代から縄文中期にかけて朝鮮半島にはほとんどヒトが住んでいなかった、という事実は衝撃的です。何があったのでしょうか?
以下、センセの仮説(というか、妄想)。


・・・トラが居たから・・・。


tiger.jpg
画像はネットからの頂きものです。https://www.google.co.jp/search?q=トラ&rlz
立派なツラ構えですね!



いや、センセは至って真面目です。

現代の韓国ではトラは既に絶滅していると思いますが、明治時代に朝鮮半島を旅行した英国の女性ジャーナリスト、イザベラ・バードによれば、当時は未だ多くのトラが生息し、朝鮮人はこれを極めて恐れていたとのことです。

であれば、ましてや旧石器~縄文時代においてはその生息頭数はもっと多かったでしょうし、トラの被害も猖獗(しょうけつ)を極め、まさに狩人であったご先祖様たちにとっては恐怖そのものであったと思われます。
一方で、誠に幸いにも、対馬海峡の彼方に存在する島々にトラが住み着くことは、ついぞありませんでした。
で、「海の向こうにはトラが居ない!」との情報に吸い寄せられ、旧石器時代人は半島に留まることはなく、対馬海峡の荒波もなんのその、天国のような日本列島を目指して押し寄せた、というシナリオは、全くの妄想とも思えません。
朝鮮半島は、彼らにとっては、単なる通過点であったのかも知れません。


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このページは、喜源テクノさかき研究室が2018年6月 2日 17:18に書いた記事です。

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