今月の書評-12

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スゴイニュースが飛び込んできました!
ナント、御年88歳になられる女性が博士号を授与されたということです!!
それも縄文時代の布の研究で!!!

彼女の名前は尾関清子さん。
報道によれば、縄文時代の土偶表面の模様から縄文時代の衣服に興味を持ち、研究を始めたのが昭和から平成に変わった年。
以来、積極的に日本全国の縄文遺跡を飛び回り、およそ800点以上にものぼる遺品を調べた結果、すでに縄文時代には様々な織り方が存在し、豊かな服飾文化を有していたことを明らかにしました。

いやあ~、素晴らしいですね!こういうニュースを聞くと、ナンカ、センセの場合、お尻をけ飛ばされたような気がします。60ン歳なんて、まだまだ鼻タレ小僧でござりまする・・・。


さて、こちらは未だ旧石器時代。
でも、縄文の夜明けも間近なころです。

細石刃文化を北から持ち込んだアイヌのご先祖さまが北海道から南下し、在来の東北系旧石器時代人と混合。中部地方に至ります。
一方で、同じく細石刃文化を有する新規旧石器時代人が朝鮮半島を経て姶良カルデラの大爆発の粉塵すでに収まった九州に至り、徐々に東進して行きます。
両者とも、細石刃文化を大陸ですでに習得していた人々が移住したのか、あるいは文化そのものが伝播しただけなのかは分かりません。
いずれにしましても、この北方由来の人々と、東北地方の生き残りの人々、そして半島から新たに渡ってきた人々とは、遺伝子的にも文化的にも、共通する点もあったと同時に異なる点もあった、と考えるのが自然です。
そしてその異なる点が、後々、今の時代に至るまでに連綿として続く、日本列島で認められる東西文化の微妙な違いに反映されている、というのが、センセの妄想でございます。

さて、そのように優れた細石刃文化もほどなく終焉を迎えます。そしてそれとほぼ同時期に、あの縄文文化が生まれました。両者を隔つ(へだつ)もの、そこには一体何があったのでせうか???


そもそも細石刃文化を頂点とする旧石器時代の文化は、大型獣に生活の基盤を負う、非定住性の文化でした。細石刃技術を用いた鋭利な武器も、分厚い皮膚を有する大型獣を効率よく倒すために生み出された方法です。
マンモスやオオツノジカの生態などは皆目分かっておりませんが、現代のアフリカサバンナの大型獣の行動などから推測して、彼らは広い縄張り内で季節的な移動を繰り返していたと考えられます。従いまして、ハンターである旧石器時代人はこれらの大型獣と行動を共にする必要上、定住は不可能でした。その結果、重くて割れやすい土器のような「家財道具」は、無用の長物であったと思われます。

当時の旧石器時代人の生活状況は、ちょうど昔の北米インディアンの生活によく似たものであったと思います。
北米インディアンにも色んな連中が居りまして、森林に住んでいたもの、湖畔に住んでいたもの、北西海岸で漁労を中心とした生活を送っていたもの、南西部で農業を行っていた連中、南部沼沢地で生活していた連中など様々ですので、一概には言えませんが、いまここで想起するのは、いわゆる草原インディアン、西部劇でおなじみのスー族とかシャイアン族とかコマンチ族とかの連中です。
彼らは広い草原(プレイリー)におびただしく生息していたバイソン(アメリカバッファロー)にほぼ完全に依存した生活を送っておりました。有名なティピーと呼ばれる折り畳み式のテントに住み、部族間での小競り合いを繰り返しながら、移動生活を送っておりました。
主食はバイソンの肉ですが、草原で採れる野生のカブなどもよく食べていたそうです。カブなどを食べる時は煮炊きをする必要がありますが、その場合はバイソンの皮で作った「皮の鍋」に水を入れ、下から火をくべて煮ておりました。

こんな感じです。

皮の鍋.jpg
近くで農耕を営み、定住生活を送っていたプエブロインディアンなどはアナサジ文化と呼ばれる優れた文化を発達させ、美しい文様が施された土器などを多く使用していたわけですから、草原インディアンが土器を知らなかったはずがありません。ただ単に彼らの生活スタイルには不適格であったため、採用されなかっただけの話です。

では、我が国の旧石器時代人はなぜ細石刃技術を捨て、土器を作り始めたのか。おおよそ見当がつくかと思います。

本日はここまで!

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このページは、喜源テクノさかき研究室が2018年3月25日 09:25に書いた記事です。

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