昭和40年代:時代と音楽-19

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洗練化とポップ化が進む70年代のソウル・ミュージックシーンですが、どっこいそうは問屋が卸さない、とくるのが南部系。メンフィスのスタックス・レコードの連中を中心に、ソウルの「保守本流」をしっかりと引き継いでいきます。

当時の南部系ソウルの「魂」を如実に示すものが、1971年の映画「Soul to Soul」。これは、西アフリカのガーナで開かれた音楽祭の実録ですが、ここにはまさに当時の南部系ソウルの神髄が寸分余すところ無く描かれています。
登場するのは、有名どころとしてアイク・アンド・ティナターナ、ステイプル・シンガーズ、ウイルソン・ピケット、ロバータ・フラック、そしてサンタナまでもが出演しています。
アイク・アンド・ティナターナは、題名となった「Soul to Soul」の他にも「River Deep Mountain High」など数曲歌ってますが、旦那のアイクとの「掛け合い」が面白いです。
ステイプル・シンガーズは、ギター担当の父親、ローバック・ポップス・ステイプルズと彼の三人娘で構成する四人編成のバンドで、もともとゴスペルだったこともあり、秀逸な歌唱力のみならず、歌の内容もしばしば宗教色が強く現れ、黒人達の自尊心を喚起するもの、あるいは黒人達がたどってきた苦難の歴史を歌ったプロテスト色の強いものなど、実力もさることながら、非常に重厚な雰囲気を持ったコーラスバンドです。ヒット曲には「Respect Yourself」や「I'll Take You There」などがあります。次女のメイヴィス・ステイプルズがリードヴォーカルを務めますが、彼女のエネルギッシュな歌いっぷりが大好きです!!!因みに、メイヴィスを見てると岡本綾子を思い出すのは、センセだけ?
個人的に大好きで、音楽的にも秀逸かつその後には世界的な名声を博することとなるメキシコ系のバンド、サンタナですが、せっかくの「Jungle Strut」を演奏しても観客のノリの悪いこと悪いこと・・・。サンタナといえども「黒さ」がゼンゼン足りなかったようで・・・。
これと対照的だったのが、ウイルソン・ピケット!彼の「ダンス天国」では観客が舞台に登ってみんな踊り出し、これで映画の最後が締めくくられます。傑作なのは、黒人の素人のオッサンの踊り!ナンか、「ごんべが種まきゃ」みたいなカンジですが、もうまわりを一切気にしないで自分の世界に入り込んでひたすら自分のリズムで踊り続けるあの根性が立派!!!

「Soul to Soul」の翌年、1972年には、ロサンゼルスで開かれたコンサートを主題とする映画「ワッツタックス」が封切られます。
「ワッツタックス」はスタックス・レコードが企画したコンサートで、当時のスタックス・レコードに所属していた連中が多数出演。映画では黒人コメディアンのリチャード・プライヤーが出演して何のかんのと言ってますが、コンサートとは無関係です。
出演者の中の有名どころでは、ドラマティクス、ステイプル・シンガーズ、バーケイズ、アルバート・キング、カーラ・トーマスとルーファス・トーマス親子、ルーサー・イングラム、そしてアイザック・ヘイズなどがいます。
映画全体を流れる主題は、「ブラック・イズ・ビューティフル」!演奏の合間合間に、例えば黒人のサンタクロースとかイエスキリストとか、テーマに沿った「絵」がちりばめられます。演奏では、個人的にはステイプル・シンガーズがやはり秀逸だと思います。ルーファス・トーマスとかはもはやコメディアンみたいですし、ルーサー・イングラムなんぞは「君を愛するのが罪ならば、僕は罪深くありたい・・・」なんてにやけきった歌を歌ってます・・・。
で、最後に登場するのがアイザック・ヘイズ!アイザック・ヘイズ登場時の司会が、政治にも足を突っ込んでいた人権運動家にして黒人牧師の、あのジェシー・ジャクソン!
「さて、ご兄弟の皆さん、いよいよあの「ワル」が登場しますよ!ワルです、ワル!牧師の私が言うのもナンですが、「ワル」の登場です!」
とかナンとか紹介するうちに「ワル」が登場!チャカポコチャカポコの「Shaft」の前奏の中でジャクソン牧師が「ワル」の帽子を取ると、あのつんつるてんの頭が出現!さらにガウンを脱ぐと、裸体に鎖・・・。
で、いよいよ歌い始めて、
「可愛子ちゃんみんなを満足させることが出来るヤツは一体誰だい?」
「それはシャフトよ!」
「そうともさ!」
みたいなカンジ・・・。イや~、実に意味シンで微妙に良いですね~。

最後に、黒人系バラードの伝統を受け継ぎつつも独自のスタイルを確立して大人気を博したヒトを紹介して、本日はお開きといたします。
そのヒトの名は、アル・グリーン。
代表曲が、「Let's Stay Together」。
四の五の言わずにただ一言。
名曲です。
では・・・。

と、言いたいところですが、1971年のビル・ウイザース、「Ain't No Sunshine」とビリー・プレストンの「Outa Space」を忘れそうだった!!!
因みにビリー・プレストン、あのビートルズのアップル屋上の演奏でオルガンを弾いているヒトです。
「Ain't No Sunshine」、名曲中の名曲です。
「Outa Space」、センセは未だにディスコの振り付けを覚えてます。

では、こんどこそ本当に、お休みなさい・・・。

と、言いたいところですが、
1972年のジョー・テックスの「I Gatcha」まで言わせてキャシアス・クレイ!
ガチガチの南部系のソウルシンガーであるジョー・テックス。
ジャクソン5あたりはまだしも、カーペンターズなんぞが流行っていたこの当時にガッチガチの泥くさ~いソウルの「I Gatcha」をヒットさせた!

・・・因みにセンセ、ルーペ・フィアスコのI Gatcha」も大好きでございます・・・。


ということで、こんどこそはホントのホントに、お休みなさ~い!!!

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このページは、喜源テクノさかき研究室が2016年11月21日 20:26に書いた記事です。

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