学会報告-11

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みなさまこんにちは!ご機嫌いかがですか?私はあいかわらずご機嫌です。
「喜源の社長はいつもご機嫌!」・・・って、相当使い古されたフレーズですけど・・・。

いよいよ梅雨も本番の日々。
九州は豪雨、その他の西日本は例年通りの降雨、といったカンジですが、坂城を含めた関東甲信越では、少なくとも今のところ、降雨日も降雨量も少なく、ダムの貯水量も大きく減少しています。

坂城町を含めた東信州地域は日本でも有数の小雨地帯で、年間平均降雨量は1,000mmに達しません。近くの塩田(しおだ)地域には数多くの溜め池がありますが、これらは昔のお百姓達が米作のために苦労して掘ったものです。標高が比較的高いうえに内陸で、海もなく、これに小雨という条件が加わりますので、夏は昼間の温度は高くなりますが、湿度が低く、蚊や蝿、ゴキブリも少ないので、夏場を快適に過ごすにはとても良い地域です。ただし、真冬の寒さは半端じゃないけれど・・・。

さて、6月9~10日にかけて東京大学で行われた第20回腸内細菌学会に参加してきましたので、ご報告いたします。
この時期は学会月間みたいなもので、日本全国いろいろな所でいろいろな学会が開かれます。例年ですと、この時期の学会=雨=傘をさしての移動、というのが通例ですが、今年は東京も雨が少なく、比較的楽に過ごすことができました。
昨今の腸内細菌ブームを反映して満席が予想されましたので、我々一行(中山センセ、岡田研究員、菅佐原講師)は開場30分前に早々と到着。良い席を確保する事に成功しました。
シンポジウムを含めて各種演題には興味深いものが多く、「乳酸菌~消化管~健康」という伝統的な三題噺の「頑健性」があらためて担保されたかな、という感想を持ちました。以下、シンポジウムの演題を中心に、各個にご紹介していきます。

九州大学の先生が、腸内細菌叢とストレスとの関係についてお話されました。

腸管には多くの神経が分布している事から、精神活動と腸との間に密接な関係がある事は昔から推測されておりました。試験前などに見られるように、ストレスによって腸管の蠕動運動が急激に高まって下痢をおこしがちになるなど、日常的にも体感的に知られている現象です。
一方で、逆に、何らかの経路を通じて腸管からの情報が脳に伝達され、精神活動に影響を及ぼしている可能性が、近年数多く指摘されるようになってきました。

今回は、はじめに、無菌マウスと通常のマウスのストレス応答を比較した結果が報告されました。方法は、マウスを狭い空間に固定する事によって発生する「拘束ストレス」に対する応答を比較するものです。
実験の結果、無菌マウスではコルチコステロンなどのストレス反応性ホルモンの分泌が通常のマウスに比べて有意に亢進。このような無菌マウスにビフィズス菌を投与~定着させると、ストレスホルモン分泌が抑制された、という事でした。一方で、ビフィズス菌の代わりにバクテロイデス菌を投与した場合にはナンの変化もありませんでした。また、このようなビフィズス菌に対する反応は若い個体で生じ、ある一定の週齢に達したマウスに同じようにビフィズス菌を投与してもほとんど反応しなかった、という事でした。
この結果をすなおにヒトに当てはめますと、年少時に適切な腸内環境を整える事により、その後の成長に伴う外部からの様々なストレスに対応できる素地が作られる、という事です。

また、別のモデルを用いた実験では、やはり無菌マウスの「落ち着きの無さ~多動性」が指摘されました。無菌マウスでは「血液脳関門=Blood Brain Barrier=BBB」がルーズである一方で、これに酪酸菌を投与するとBBBが密になり、健常化する、という事でした。脳と腸管との関係においても「酪酸」の「バリアー健常効果」が指摘されていたのが、大変興味深いところでした。

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このページは、喜源テクノさかき研究室が2016年6月21日 09:35に書いた記事です。

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