ちょっと研究内容 その四

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毎日毎日暑い日が続いていますね!甲子園もいよいよ明日で決勝戦。テクノさかき研究室の今年の夏休みは11日間連続して続きます。こちらもいよいよ残り2日となりました。

中山センセはこの夏休みは一歩も外に出ず、ひたすら部屋にこもっておりました。いったい何をしていたかと申しますと、朝から晩まで毎日ずう~~っと日本経済の分析研究に余念がありませんでした。

知ってるヒトは知ってるけど、知らないヒトはたぶん全く知らないと思いますが、現在の日本の国家財政は非常~~~~に脆弱きわまる状態です。ある人々は「もうだめだ!」と言いますし、ほかの人々は「まだ大丈夫!」と唱えております。いったいどちらが正しいのか、自分で色々なデータを収集して足りない頭で一生懸命考えに考え続けておりました。

で、その結果は?と申しますと、それはないしょであります。でもそれでは身も蓋もないと思いますので、このブログをお読みになられている皆様には少しヒントをお教え致しませう。それは、自分の身は自分で守るしか無い!と言う結論となりました。自分の健康維持と同じですね!おしまい。

それはさておき、大豆麹乳酸菌発酵液の研究結果も蓄積して参りましたので、このコーナーで逐一お知らせしていきたいと思います。本日は、大豆麹乳酸菌発酵液の抗酸化能についての第一回目です。

食物の抗酸化能に関しては、既に多くの方が良くご存じかと思います。代表選手としては、ビタミンCとかビタミンEがあげられます。その他にもポリフェノールとかカテキンとか、或いはアントシアニンとかアスタキサンチンなどと言う名前もご存じの方もおられるかと思います。けれども、大豆麹乳酸菌発酵液の様な乳酸菌を主体とした製品に抗酸化能があると言う話は、あまり聞いたことが無いのではないかと思います。

生体の酸化が体にどのように悪影響を及ぼすかについても、皆さんは既に良くご存じのことかと思いますので、今回は省略致したいと思います。

第一回目の今回は、水相(ビタミンCの様に、水溶液中で効果がある)での実験の結果をお話致します。

大豆麹乳酸菌発酵液の培養上清(培養液の上澄み液)を一旦乾燥させます。その後、これの蒸留水抽出物、メタノール抽出物、エタノール抽出物を作製します。それぞれの抽出物の、スーパーオキサイド(O2-)に対する抗酸化能を、MPEC(2-methyl-6-p-methoxyphenylimidazopyrazinone)法と言う方法で測定しました。スーパーオキサイドを生み出す方法は、図-1の通りです。

図-1 図-1.1.jpg     

結果は、蒸留水抽出物とメタノール抽出物に強い阻害活性が存在しておりました。エタノール抽出物には抗酸化能は全くありませんでした(図-2)。DPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)と言うラジカルを用いての実験も、殆ど同じ結果となりました。DPPHの実験では、抗酸化能が強いと、DPPH溶液が黄色くなります。抗酸化能が無いと、紫色のままです(写真-1。ビタミンCの例)。

図-2 図-2.jpg写真-1 写真-1.jpg大豆麹乳酸菌発酵液の強い抗酸化能が何に由来しているのかを調べるために、大豆麹乳酸菌発酵液を構成している液体大豆麹、黒糖、米ぬかエキス、炭酸カルシウムの四分画に分け、それぞれに関して同じ実験を致しました。すると、液体大豆麹に最も強い効果がある事が分かりました(図-3)。

図-3 図-3.1.jpg  液体大豆麹は大豆水溶液に麹菌を接種し、17日間振蕩培養して作製します。従いまして、この間に抗酸化能が増加したのかと考え、培養2日ごとにサンプルを採取し、それぞれの抗酸化能を調べてみました(図-4)。

図-4 図-4.jpgすると、培養が進むに従って液体麹の抗酸化能は増加して行きました。しかしながら、抗酸化能のピークは培養12日目で、その後はやや低下する傾向となりました。大豆中のイソフラボン類が抗酸化能に関わっている可能性がありますので、サンプル中の12種類のイソフラボンの量を量ってみました(図-5)。

図-5 図-5.jpgしかしながら、用いた12種類のイソフラボン量の推移と液体麹の抗酸化能の推移とは一致しませんでした。最後に、大豆麹乳酸菌発酵液、豆味噌、米味噌、ヨーグルトの四種の乳酸菌関連発酵食品の抗酸化能を測定し、比較して見ました。全て乾燥重量を等しくし、メタノール抽出を行って、これの抗酸化能を測りました。その結果、大豆麹乳酸菌発酵液の抗酸化能が最も高い事が分かりました(図-6と写真-2。SKLは大豆麹乳酸菌発酵液の略称)。

図-6 図-6.jpg写真-2 写真-2.jpgヨーグルトには抗酸化能はありませんでした。豆味噌と言うのは愛知県で作られる大豆100%の味噌の事です。従って、やはり大豆中の何かが抗酸化能に大きく関わっていると考えられますが、残念ながら今回は原因物質の特定にまでは至りませんでした。尚、以上の結果は、New Food Industry誌 Vol.53 No.1 2011年号に詳しく掲載されておりますので、ご用とお急ぎでない方は、どうぞご自分で購入されてごらんになるとよろしいかと存じます。

今回の結果は、ビタミンCと比較していることからもお分かりのように、水相(水溶液中での実験系)での結果です。次回は油相(油中での実験系)の結果をご報告致します。

今回に引き続いて次回も難しいお話が続きます。

 

 

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このページは、喜源テクノさかき研究室が2011年8月19日 14:58に書いた記事です。

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